自分に万が一のことがあった時、遺された家族の生活を守るための保険が収入保障保険です。
しかし、生命保険があれば十分なのでは?と思う人もいるでしょう。
収入保障保険には、どのようなメリットがあるのでしょうか?
また、加入の際はどのような点に注意するべきでしょうか?
メリットや注意点について、解説します。
収入保障保険のメリット
収入保障保険のメリットとして、保険料が割安という点が挙げられます。
掛け捨て型の保険は総じて保険料が安い傾向があるのですが、その中でも特に割安なのです。
その理由は、保険金の支払い方法にあります。
保険金は、被保険者が死亡もしくは重度障害状態になった時に支払われるのですが、支払われる期間が決まっています。
「○年間支払われる」というのではなく、契約の段階でいつまで支払われるかが決まっているのです。
最低保証期間が設けられていることもありますが、基本的には、被保険者が生きていれば定年退職になる年齢まで、あるいは配偶者が65歳になるまで、末の子どもが独立するまで、といった期間が一般的です。
そして、保険金は、基本的には年金方式で毎月一定額が支払われるのですが、被保険者が亡くなった年齢が60歳でも30歳でも、毎月支払われる保険金額には違いがありません。
そのため、亡くなるタイミングが遅ければ遅いほど、受け取ることができる保険金の総額が少なくなるのです。
また、年金方式にした場合、毎月一定額が支払われるため、毎月の収入として家計に組み込むことができ、計画的に使うことができます。
安定した収入を得て生活できる、というのも大きなメリットでしょう。
生命保険の保険金は、世帯主の場合、平均で2,000万円弱といわれています。
それほどの金額を一度に受け取ると、つい大きな買い物をしてしまうかもしれません。
しかし、収入保障保険を毎月受け取る場合には、そのようなことがないのです。
さらに、ライフステージの変化に伴い、必要な金額は徐々に少なくなっていくため、保証が必要な金額も少なくなります。
生活に大きな変化がない限り、受け取る保険金が少なくなってもさほど問題はないため、保険を見直す必要性も少なくなるでしょう。
加入する際の注意点
収入保障保険への加入を検討している場合は、いくつかの点に注意しましょう。
まず注意したいのが、本当に加入する必要があるかという点です。
例えば、そもそも独身の人であれば、加入する意味はほとんどありません。
また、働いてはいるものの、家計に占める収入の割合が少ない、収入の主軸ではないという人もあまり意味がありません。
子どもがもう何年かで独立する、数年で年金がもらえるようになる、という人にとっても、加入するメリットはあまりないでしょう。
毎月受け取ることができる保険金の額は、支払う保険料によって変わります。
まずは、毎月いくら必要になるのか計算し、それに合わせた保証を受けられるように加入する必要があります。
なお、目安は、遺族年金との合計で現在の生活費の7割程度です。
このことを踏まえ、まずは、現在の生活費を計算してみましょう。
その7割から遺族年金分を差し引いた額を受け取ることができるように、保険のプランを考えてみてください。
また、保険には最低支払保証期間もあります。
これは、保険満了期間までの期間が短い場合でも、一定期間は保険金が支払われるようにするものです。
例えば、保険満了までの期間が1年未満でも、最低支払保証期間が3年あれば、3年間は保険金を受け取ることができます。
しかし、その分保険料は高くなってしまうため、どのくらいの期間にするのか、よく考えたほうがいいでしょう。
まとめ
収入保障保険は、毎月安定した収入の代わりとなる保険金を受け取ることができるもので、遺族の生活を守るのに役に立つ保険です。
生命保険とは違い、支払いは基本的に年金方式となりますが、その代わり、定年までの収入を保障してくれるなど、一定期間の生活を守ることができます。
ただし、加入する際は、受け取る保険金の額と支払う保険料のバランスや、最低支払保証期間などを考慮したうえで検討してください。