就業不能になった際、公的保障はどこまで頼れるの?

保険の知識

何らかの事故や病気により、仕事ができなくなってしまう「就業不能」の状態は、誰にでも起こり得ることです。

そのような時、「公的保障で生活を支えてもらえる」と思っている人もいるかもしれませんが、実際にはどの程度頼ることができるのでしょうか?

公的保障の内容について、解説します。

就業不能時の公的保障とは?

怪我や病気、事故によって、これまでのように体が動かなくなり、働けなくなってしまった場合、それ以降の生活を守るために公的保障があります。

主に、健康保険に加入していて、怪我や病気によって就業不能となり収入が途絶えてしまった場合に、生活を保障するために支給される傷病手当金と、要件を満たす障害状態となった場合に年金として支給される障害年金があります。

傷病手当金は、これまでの収入に応じた金額が支給されます。

1日あたりの標準報酬日額の3分の2が支給され、その基準となるのは最近12か月間の標準報酬月額の平均額の30分の1です。

障害年金は障害基礎年金と障害厚生年金に分かれていて、自営業者や第2号被保険者の被扶養配偶者などの第3号被保険者は基礎年金のみ、会社員や公務員はそれに加えて厚生年金も受け取ることができます。

金額は、基礎年金が障害等級や家族構成によって異なり、1級なら年間972,250円、2級なら777,800円です。

それに加えて、子どもが第1子、第2子はそれぞれ223,800円、第3子以降は1人につき74,600円が加算されます。

厚生年金も同様に異なり、1級なら報酬比例の年金額の1.25倍、2級と3級はそのままとなっています。

また、1級と2級は配偶者がいる場合、223,800円が加算されます。

収入を補うためには保険が必要

公的保障の内容は以上のとおりですが、十分な額をもらうことができると言えるのでしょうか?

自営業者や会社員が障害を負って2級に認められた場合に、どのくらいもらうことができるのかを計算してみましょう。

自営業で月収35万円、妻と2人の子どもがいる人が障害等級2級になった場合、まず1年6か月間は傷病手当金が支給されます。

その場合、月収の3分の2となるため25万円弱と10万円ほど少ない金額となってしまいます。

1年6カ月が経過して障害年金がもらえるようになった場合は、障害基礎年金として年間777,800円が支給され、2人の子どもがいるのでそれに447,600円が加算されます。

そうなると、1月あたりの支給額は101,783円しかないのです。

会社員であればこれに厚生年金が加わるため、年間で85万円ほど支給額は増えますが、それでも17万円ほどしかないため本来の月収の半分ほどになってしまいます。

これでは、不自由なく生活することは難しいでしょう。

さらに、子どもが独立すると、その分の支給額が減額されるため、更に収入が少なくなります。

その分を補うためには、どうしたらいいのでしょうか?

そういった場合に備えて、収入保障保険に加入しておくことをおすすめします。

これは被保険者が死亡、もしくは重度障害状態になった時に保険金が支給されるもので、保険金は毎月年金形式で一定額が支払われます。

この保障金額については、自分で希望の金額にすることができます。

そのため、公的保障で不足する収入分は保険金として支払われるようにしておけば、これまでと同水準の収入を維持することができるのです。

公的保障はあくまでも最低限の生活を保障するものであり、これまで通りの生活を維持するためのものではありません。

そのため、不足分は自分で保険に加入して補うしかないのです。

まとめ

怪我や病気で仕事ができなくなってしまった時でも、公的保障で最低限の生活費は支給されます。

しかし、今までの生活水準を落としたくないという人も多いでしょう。

そういった場合は、不足分を補うために収入保障保険へと加入することをおすすめします。

いざという時に収入の不足分を保険金として受け取ることができる保険なので、家族の生活を守るためにも、備えとして加入しておくことをおすすめします。

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