老後資金を年金だけで準備する場合、1,300~2,000万円が不足すると言われています。
また最近は物価の上昇に伴い、さらに老後資金が足りなくなることも懸念されています。
では、明らかに老後資金が足りないという状況の方は、一体どのように対処すれば良いのでしょうか?
今回はこちらの内容について解説します。
老後資金が足りない場合の対策5選
そろそろ定年退職も見えてきた年齢にもかかわらず、あまり老後資金を準備できていない状況の場合は、以下のような対策がおすすめです。
・定年後も働く
・教育費と生活費を見直す
・固定費を見直す
・年金の繰り上げ受給を行う
・地方へ移住する
各項目について詳しく説明します。
定年後も働く
老後資金が明らかに不足している場合、定年退職後も仕事を続けることをおすすめします。
あくまでも不足分を補うことが目的であるため、現役時代のように1日中働く必要はありません。
午前中のみ、週3日だけなど、自身のペースで仕事をするだけで十分です。
また仕事を続ける場合、勤務先の再雇用制度などを活用し、定年後も同じ職場で仕事を続けるのも一つの選択肢です。
定年前より収入は下がるかもしれませんが、今までの経験を活かして仕事を続けられます。
教育費と生活費を見直す
子どもが独立した世帯では、教育費と生活費を見直すことにより、ある程度老後資金を貯めることができます。
日本政策金融公庫のデータによると、大学に通う子どもの1年間の在学費用は、平均149万9,000円となっています。
つまり、子どもの独立後はこうした教育費の負担がなくなるということです。
こちらの教育費を貯蓄に回すことができれば、老後資金は大幅に増加します。
また子どもの独立により、教育費だけでなく生活費も削減されるため、その分を貯蓄することも忘れてはいけません。
固定費を見直す
毎月の固定費を見直すことでも、老後資金は貯めやすくなります。
例えばスマホは料金プランを変更するだけでも、大きく節約できる可能性があります。
特にこだわりがなければ、格安SIMへ変更するのもおすすめです。
また保険は一度加入すると、その後は何も気にしないまま保険料を払い続けることも多いです。
しかし、そうすると徐々に保障内容が見合わないものになってしまうため、プラン変更によって少しでも貯蓄に回せる金額を増やすことをおすすめします。
ちなみに固定費の中でも負担の大きい家賃、住宅ローンなどが問題になっている場合、管理会社や金融機関に相談してみましょう。
家賃や共益費の値下げ交渉、返済についての交渉ができる可能性があります。
年金の繰り上げ受給を行う
老後資金が足りない場合の選択肢としては、年金の繰り上げ受給も挙げられます。
年金の繰り上げでは、65歳に受給が開始される年金を60歳まで早めることができます。
早く受け取ることができれば、老後の資金不足を補えるでしょう。
ただし繰り上げ受給を選択した場合、本来受け取れるはずだった受給額が減額されるため、注意が必要です。
地方へ移住する
老後資金が足りないのであれば、老後の生活費を抑えるため、定年後物価の安い地方に移住するというのも一つの手です。
夫婦いずれかの地元に移住すれば、場所にもある程度馴染みがあります。
また中古物件を購入してリフォームし、民泊にも対応できるようにしておけば、民泊収入も得られるかもしれません。
ただし移住は計画的に行う必要があるため、早い段階からプランニングしておきましょう。
まとめ
老後資金がなかなか準備できなかったとしても、焦る必要はありません。
ある程度年齢を重ねた状態からでも、工夫次第で大きな金額を貯めていくことはできます。
逆に、ある程度老後資金が溜まっているという方は、油断せずに貯蓄を継続しましょう。
数年後、数十年後には、現在より必要な老後資金の金額が大きく跳ね上がっている可能性もあります。