外貨建て保険のメリットの1つに、円建て保険よりも保険料が安くなるという点があります。
外貨建て保険は、日本円の代わりに外貨で保険料を支払い、保険金も外貨で受け取るのですが、なぜそれで保険料が安くなるのでしょうか?
保険料が安くなる理由について、解説します。
外貨建て保険の保険料は本当に安い?
そもそも、外貨建て保険の保険料は本当に安いのでしょうか?
特に、円安となった場合には保険料がむしろ高くなってしまうのではないか、と思う人も多いのではないでしょうか。
外貨建て保険にはドル建てやユーロ建て、豪ドル建てなど様々な通貨の保険があるのですが、保険料は1万円相当分などではなく100ドルや80ユーロなど、その外貨によるものです。
そのため、例えば1ドルが120円でも140円でも、100ドルなら100ドルで固定されるのです。
しかし、保険料を円貨で支払い、外貨に両替する場合には、為替変動の影響を受けます。
そのため、上記の場合、支払う金額は12,000円から14,000円に増えることになるのです。
そう考えると、保険料が安いとは言い切れません。
外貨建て保険の保険料が安いというのは、保険料そのものの金額が低いという意味ではないのです。
保険料が安いという意味
外貨建て保険の保険料が安いというのは、保険金に対して保険料が安いという意味です。
保険には予定利率というものがあり、保険料を受け取った保険会社が運用する際に約束する利回りのことをいいます。
この利回りが高ければ高いほど、払い込んだ保険料に対して支払われる保険金が高くなります。
外貨建て保険、特にドル建て保険はこの予定利率が高いのです。
なぜかというと、日本とアメリカの国債利回りを比較した場合、アメリカのほうがかなり高いからです。
2022年12月の国債利回りを比較すると、日本国債10年は0.254%なのに対して米国10年国債は3.466%となっています。
10倍以上も利回りが違うため、予定利率も大きく異なります。
そのため、保険金の金額を同じにして比較した場合、外貨建て保険のほうが保険金はかなり少なくて済みます。
また、外貨なので為替相場の変動の影響を受けることとなり、保険料の支払い時よりも保険金、解約返戻金の受け取りの時に円安となっていた場合は、為替差益を得ることができるのです。
まとめ
外貨建て保険の保険料が安いというのは、支払う保険料の金額が安いというわけではなく、受け取ることができる保険金に対して支払う保険料が円建てよりも安いということです。
また、保険金や解約返戻金を受け取るタイミングで円安になっていた場合、為替差益も得ることができるでしょう。
しかし、円高になって差損が出てしまうこともあるため、注意が必要です。