こんな方は外貨建て保険(ドル建て保険)に向いていません!

外貨建て保険(ドル建て保険)

生命保険の種類として、運用を外貨で行う外貨建て保険(ドル建て保険)というものがあり、予定利率の高さなどから人気があります。
しかし、誰にとっても向いている保険というわけではなく、人によっては向いていないということもあり得るのです。
外貨建て保険が向いていない人の特徴について、解説します。

リスクを理解しない人には向いていない

外貨建て保険(ドル建て保険)は、保険料の支払いや保険金の受け取りがすべて外貨(米ドル)となるもので、日本よりも金利が高いアメリカなどの外国で運用されるため予定利率も高くなるのが特徴です。

しかし、それにはいくつかのリスクがあります。
最も注意したいのが為替リスクで、保険料を支払った時よりも受け取る時の方が円高になっていた場合は、損をしてしまうのです。

例えば、1ドル120円の時に保険料を支払って、1ドル100円の時に保険金を受け取るケースを考えてみましょう。
受取時にドルベースで110%返還される場合、円に両替すると、円高によって為替差損が発生するので、91%ほどしか返還されません。
その分、資産が減ってしまうのです。

そのため、為替リスクについてよくわからないという人や、絶対に元本割れしない保険に加入したいという人には向いていません。
その場合、リスクが少ない円建ての保険に加入したほうがいいでしょう。

途中解約をする可能性が高い人には向いていない

外貨建て保険の場合、途中解約することになると、解約控除という手数料が発生します。
この手数料の金額は、加入してから解約するまでの期間などで異なります。
加入して一定期間が過ぎていない場合、解約控除を支払うことで、解約時返戻金がほとんど残らないこともあり得ます。
そのため、早期に解約する可能性がある人には、向いていないと言えます。
なお、解約時返戻金にも為替変動リスクがある点に注意しましょう。

また、解約はせず、保険料の減額をすることになった場合も、やはり手数料がかかります。
そのため、減額する可能性が高い人にも向いていません。

中途解約や減額などの可能性を減らすためには、契約する前に契約期間や保険料などをよく確認し、為替変動があっても問題なく支払い続けることができるかシミュレーションをしてから加入しましょう。

外貨建て保険のトラブルを防ぐには?

外貨建て保険に加入する人が増えたことで、全国の消費者センター等に外貨建て保険のトラブルについての相談が寄せられる件数も、増加傾向にあります。
特に多いのが70歳以上の方で、約半数を占めています。

相談事例で多いのが、為替変動リスクを理解しないで契約した、というケースです。
先述したように、ドルと円のレートは常に変動しています。
同じ100ドルでも、支払った時と受け取る時では価値が異なることがあるのです。

特に、一時払いで加入したときは気をつけなければいけません。
レートの差によって、得になる可能性もあります。
しかし、損をする場合もあるのです。

問題となるのは、為替変動リスクがあることで、日本円での元本保証がないという点をきちんと説明されていない、という点です。
たとえ利益が出る可能性があっても、損をする可能性について説明されていない契約は、解約したいと思う人が多いでしょう。

また、外貨建て保険には手数料がかかります。
初期手数料が4%から10%と、無視できないほどの金額です。
さらに、保険金の受け取り時にはドルを円に両替するための手数料もかかります。

また、資産形成をこれから行う現役世代であれば、外貨建て保険に加入するとしても一時払いは向かないでしょう。
注意点やメリットを理解した上で、保険料の支払い方法を平準払いにしていれば、トラブルも起こりにくいでしょう。

為替変動リスクの対策

為替変動リスクを抑えるには、保険料を平準払いにするのがおすすめです。
平準払いは、一定間隔で保険料を納める方法で、例えば10年契約で毎月1万円の保険料を支払う時、120万円を最初に支払ってしまうのが一時払いで、毎月1万円や半年ごとに6万円、1年ごとに12万円、といった方法で支払うのが平準払いです。

平準払いにすると、為替レートは支払いのたびに変わるため、平均化されるのです。
多くの場合、為替レートは少しずつ変化していきます。
いきなり変化することは少ないため、保険料の平均が保険金を受け取る時のレートに近くなるのです。

為替レートは、何年後にどうなるかを予測することは難しいのです。
10年後、20年後に円高になっているか、円安になっているかを判断するには、判断するための様々な要素が足りないのです。

予測ができなくても費用を軽減するには、平準払いがいいのです。
例えば、1ドルが支払い時は120円、受取時は100円だった場合、最初に100ドル、12,000円を支払って110ドル、11,000円を受け取るよりも、最初に120円で50ドル、110円で50ドル支払っておけば、110ドル、11,000円の時との差額が小さくなります。
また、一定間隔で保険料を支払い、規則的に変化した場合の平均は110円になります。

外貨保険に対してリスクで悩んだり、加入する決心がつかない場合は、一度FPに相談してみてはいかがでしょうか?
保険の専門家であるFPは、悩みやリスクなどをしっかりと解消してくれます。

また、外貨建てにするリスクについても、詳細に説明してくれます。
そもそも、外貨建て保険にする意味はあったのでしょうか?
保険には専門用語も多く、自分一人で悩んでいても良い答えが出る可能性は低く、何かを見落としている可能性も高いでしょう。

FPに相談すると、何を悩んでいるのかを聞いて解決方法を提示してもらうことができます。
他にも、資産形成の方法や必要な保障、貯蓄する方法なども考えてくれて、ライフプランを実現することができるのです。

保険について、一人で悩んでいてもあまり意味はありません。
できるだけ、誰かに相談して決めるようにしましょう。
悩みを相談するのであれば、FPがおすすめです。
相談窓口などにはFPがいるので、一度相談してみてください。

まとめ

外貨建て保険(ドル建て保険)は、同じ保険金を受け取るために支払う保険料が円建て保険よりも少なくて済むため、特に米国の金利が上がってから注目を集めています。
加入を検討する場合、どのようなタイミングで加入・満期を迎えるのが良いのか、今は加入に向いたタイミングなのか等、しっかり考慮することをおすすめします。

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