一度iDeCo(イデコ)に加入すると、加入者の都合で自由に途中解約をすることは原則できません。
その代わりに、支払いが困難になった方などのために、払込の停止という対処法が用意されています。
ここからは、iDeCo(イデコ)の払込停止における方法や、実践する際の注意点などについて解説します。
iDeCo(イデコ)の払込の停止とは?
iDeCo(イデコ)は原則60歳まで途中解約することができません。
その上、脱退一時金を受け取ることができるのは、国民年金保険料を免除され、なおかつ一定の要件を満たす場合に限られています。
しかし、iDeCo(イデコ)加入後、失業や転職、病気など、さまざまな理由で掛金の拠出が難しくなる可能性は十分にあります。
このようなケースでは、加入している運営管理機関の加入者資格喪失届を提出することで、掛金の払込を一時的に停止できます。
また、払込を停止すると、加入者ではなく運用指図者という扱いになり、これまで積み立てた額の運用は継続されます。
払込の停止後もスイッチングは可能?
iDeCo(イデコ)の途中解約の代案として、払込の停止を選択した後は、前述の通り新たな積立をしない運用指図者になりますが、すでに積み立ててある分については、スイッチングを行うことができます。
スイッチングは、保有している金融商品を売却し、新たな金融商品を購入するものです。
例えば、ある投資信託を保有していたものの、基準価格の伸びが著しいことから、売却して他の投資信託を購入するなどの方法を指しています。
また、現在運用している金融商品より、成長しそうな金融商品が見つかった場合にも、スイッチングが求められます。
iDeCo(イデコ)の払込の停止における注意点
iDeCo(イデコ)の掛金支払いが厳しくなった方などは、途中解約の代わりに払込を停止することができますが、こちらを実践する際には以下の点に注意しなければいけません。
・所得控除のメリットが減る
・手数料が発生する
・再開のときは手続きが必要
所得控除のメリットが減る
iDeCo(イデコ)の大きなメリットは、掛金の金額が所得から差し引かれる点です。
また、課税所得が減ることで、その年の所得税と翌年の住民税が軽減できます。
しかし、途中で掛金の払込を停止すると、iDeCo(イデコ)の取得控除が受けられなくなります。
手数料が発生する
iDeCo(イデコ)の払込を停止し、運用指図者になったとしても、継続して毎月発生する手数料が存在します。
具体的には、事務委託手数料として66円がかかるほか、運用管理機関によって異なる運営管理手数料、運用商品として投資信託を選択している場合は、信託報酬などを支払う必要があります。
これらは、極端に大きな金額ではありませんが、iDeCo(イデコ)の支払いが厳しい方にとっては負担になることが考えられます。
再開のときは手続きが必要
iDeCo(イデコ)の払込を一時停止しても、その後また経済的な余裕ができれば、払込を再開することができます。
しかし、再開させるには、もう一度改めて手続きをしなければいけません。
また、払込停止の再開手続きは、届出を提出してから、引き落としが再開されるまでの1ヶ月半~2ヶ月半かかります。
この期間の間、1回から2回の引き落とし日は、掛金の一時停止が継続します。
つまり、スムーズに再開の手続きを行ったとしても、すぐにまた掛金の引き落としが再開されるわけではないということです。
まとめ
ここまで、iDeCo(イデコ)の途中解約に代わる選択肢、払込の停止について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
iDeCo(イデコ)加入後の失業や病気については、完全に予測することが難しいです。
そのため、払込の停止という選択肢については事前に把握しておき、加入期間中に経済的な問題が生じた場合には、すぐ手続きができるように備えておきましょう。
もちろん、払込の停止のデメリットもあわせて把握しておくべきです。