日本の公的医療保険である国民皆保険制度では、残念ながらすべての医療費などについてカバーできるわけではありません。
自由診療や先進医療は対象外であり、その他にも自己負担になる費用は数多くあります。
今回は、公的医療保険でカバーできない費用をいくつか紹介したいと思います。
公的医療保険でカバーできない費用4選
以下の費用については、公的医療保険ではカバーすることができません。
・入院費用
・病気以外の治療費
・病気予防のための費用
・診断書の作成費用
各項目について詳しく説明します。
入院費用
公的医療保険は、入院にかかる費用が対象外になっています。
保険が適用されるのは、あくまで病気やケガの治療に必要な診療です。
具体的には自己負担分の食事や日用品の購入、家族が見舞いに訪れる際の交通費などが挙げられ、中でももっとも負担が大きいのは差額ベッド代です。
差額ベッド代は、個室や4床以下の部屋などを希望する場合に発生する費用です。
簡単にいうと、入院をする方がより良い環境を求める際に発生する費用です。
ちなみに差額ベッド代は医療機関によって金額が大きく異なり、安い場合は1日あたり数千円程度ですが、高い場合は数十万円かかることもあります。
病気以外の治療費
病気以外の治療費についても、公的医療保険ではカバーできません。
例えば、生活に支障が出ないレベルのニキビ、アザなどの治療費が該当します。
また美容整形やレーシックなどの治療費についても、必ず受けなければいけないものではないため、公的医療保険の対象外とされています。
さらに、日常生活や疲労による肩こり・腰痛等のために整骨院でマッサージを受けた場合も、その費用は保険が適用されません。
ちなみに、出産は新しい命を授かるために必要なものですが、こちらも残念ながら公的医療保険の対象にはなりません。
ただし出産費用については、出産育児一時金という形で数十万円が補助されるため、高額な費用を自己負担しなければいけないケースは少ないです。
一方経済的な理由により、人工妊娠中絶を行った場合などは、全額自己負担しなければいけません。
病気予防のための費用
病気を予防するために受ける以下のような検査等も、公的医療保険ではカバーすることができません。
・健康診断
・人間ドック
・予防接種
・結核診断 など
これらは病気やケガを治すものではなく、緊急性もあまり高くないため、受ける方は費用を自己負担する必要があります。
ただし健康診断や人間ドックの結果、再検査や精密検査が必要になった場合は、公的医療保険が適用されます。
診断書の作成費用
医療機関で診断書を作成してもらうための費用も、公的医療保険ではカバーすることができません。
診断書は、診察した医師が患者さんの病名や症状を記載した書類です。
公的な証明として扱われるため、会社や保険会社から提出を求められることもあります。
具体的には精神疾患や病気で休職するとき、業務内容を調整するとき、福祉制度を利用するときなどは診断書が必要です。
また、診断書はその記載内容にもよりますが、大体2,000~10,000円程度で作成できます。
しかし、作成費用は全額患者さんがカバーしなければいけません。
ちなみに、診断書の作成費用は、内容が複雑になるほど高額になります。
例えば障害年金を申請する際、必要な診断書を依頼する場合には、数万円単位の費用がかかるケースも考えられます。
まとめ
公的医療保険は、私たちが快適に医療を利用するにあたって必要不可欠なものです。
しかし、中にはどうしても公的医療保険だけではカバーできないものもあります。
そのため、民間の医療保険も併用することが大切です。
民間の医療保険であれば、自身でカバーしたい費用を選ぶことができますし、保険期間や保険料の払込期間などの自由度も高いです。