新NISAには成長投資枠、つみたて投資枠という2つの枠が存在します。
このうち成長投資枠は、旧NISAにおける一般NISAに該当する投資枠です。
では成長投資枠での資産運用については、一体どのようなメリットがあるのでしょうか?
今回はこちらのポイントを中心に解説したいと思います。
成長投資枠は投資対象の幅が広い
成長投資枠は、投資できる商品の幅が広いのが特徴です。
具体的には上場株式や投資信託、ETFやREITなどが購入できます。
一方つみたて投資枠は、一定基準を満たした長期運用向きの投資信託のみ購入可能です。
そのため新NISAで株式投資、ETFの積立などをしたい場合は成長投資枠を利用します。
ちなみにIPO投資や外国株式についても、成長投資枠の対象です。
利益の非課税も大きなメリット
成長投資枠の大きなメリットとしては、利益の非課税も挙げられます。
成長投資枠の範囲内であれば、配当金・分配金や売買差益に税金が一切課されません。
そのため効率的に資産を運用できます。
また非課税期間は無期限です。
長期間にわたる投資を行っても税負担は発生しません。
スポット購入が可能
新NISAの成長投資枠では、スポット購入も可能です。
こちらは好きなときに実施できる一括購入で、積立投資とはまた違う特徴があります。
毎月決まったタイミングで定額を積立投資するのは、とても合理的な方法です。
一方、日々チェックしている銘柄を安いときに一括投資するのも投資の醍醐味です。
購入できる金額も大きいため、良いタイミングで投資できればリターンが期待できます。
商品選びが難しいのはデメリット
成長投資枠は投資先の選択肢が広いという特徴があります。
そのため選択肢が広がりますが、その分商品選びは難しくなります。
そもそも新NISAは、長期投資をしやすい制度を趣旨に刷新されています。
しかし成長投資枠には、長期投資を趣旨とするものとは異なるファンドも存在します。
またその中には、ハイリターンを期待させられる商品もあります。
このことから、チャレンジしてみたくなってしまいがちなところも悩みどころです。
さらにつみたて投資枠とは違い、自身で判断する場面の多い商品も購入できます。
その分、自身に合っていない商品を選んでしまうリスクも高まります。
売却の判断も難しい
成長投資枠は売却の判断も難しいです。
これはつみたて投資枠にも言えることですが、新NISAは非課税保有期間が無制限です。
期間制限で手放すきっかけがないため、売却のタイミングは自身で判断します。
このことから、なかなか利益を生み出せないという状況にもなりやすいです。
そのため成長投資枠を利用する場合、自身で判断できる状態にしておく必要があります。
もしくは運用会社から、直接サポートを受けられる環境を整えるべきです。
特に投資初心者の方は、このような対策が必須です。
年間投資枠は240万円まで
新NISAの年間投資枠は240万円で、こちらの枠を超える金額は投資できません。
また年間投資枠は商品を売却しても再利用できないため、注意が必要です。
例えば20万円の株式を購入し、年間投資枠の残りが220万円になったとします。
後日この20万円で買った株式を売却しても、年間投資枠の残りは220万円のままです。
20万円分が元に戻ることはありません。
何度も売買を行えば、こちらの投資枠はあっという間に使い切ってしまいます。
そのため、計画的な投資を心掛けることが大切です。
まとめ
ここまで、新NISAの成長投資枠におけるメリットやデメリットを解説してきました。
幅広い商品を非課税で運用できるのが成長投資枠の大きな特徴です。
しかし、投資額の上限や売買の難しさがあることは確かです。
このことから、情値動きの大きい商品や短期的な投資にはあまり向いていません。
課税メリットを活かすためには、中長期的な目線での商品選びが大切です。