企業は個人と同じように、万が一に備えて法人保険に加入しなければいけません。
また代表的な法人保険に生命保険が挙げられますが、こちらは種類によって保障される内容などが大幅に変わってきます。
今回は、法人向けの生命保険における主な種類、それぞれの特徴について解説します。
法人向けの生命保険における主な種類7選
法人向けの生命保険には、主に以下の種類があります。
・逓増定期保険
・長期平準定期保険
・養老保険
・がん保険
・医療保険
・生活障害保障定期保険
・収入保障保険
各種保険の特徴について詳しく説明します。
逓増定期保険
逓増定期保険は、保険期間の経過に伴って保障額が徐々に大きくなるのが特徴の保険で、被保険者の死亡や高度障害に応じて保険金が支払われます。
会社の成長に合わせた保障設計ができる上に、解約返戻金のピークが早いため、役員退職金や会社経営のリスクに備えやすいです。
一方、保険料は高めに設定されています。
長期平準定期保険
長期平準定期保険は、通常の平準定期保険よりも保険期間が長い法人保険です。
定期保険のように保険料負担を抑えながら、終身保険のような長期保障が得られるため、万が一のための資金準備が可能です。
ただし、長期平準定期保険は解約返戻金のピークまで10~30年かかるため、早期解約をすると大きく損をします。
養老保険
養老保険は、死亡と貯蓄の両方を備えた保険です。
契約時に定めた保険期間中に被保険者が死亡または保険会社所定の高度障害状態になったときには、保険金が支払われます。
貯蓄性があり、計画的な資産形成ができる一方で、企業のリスクにも備えられるのがメリットです。
しかし、養老保険は一般的な生命保険より保険料が高いため、企業はキャッシュフローが悪化しないように注意しなければいけません。
がん保険
がん保険は、文字通りがんに対する保障を受けられるものです。
法人保険の場合、保険金や給付金の受取人を法人もしくは従業員に定め、従業員ががんになった場合に法人から見舞金の形で支給することになります。
企業としてもがん保険が必要なのは在職期間中だけでなるため、定年までの定期タイプを選べば保険料は安く済みます。
ただし、法人向けの積立型終身がん保険は、比較的解約返戻率が引き下げられているため、それほどの節税効果は見込めません。
医療保険
法人向けの医療保険は契約者を法人、被保険者を経営者や役員、従業員に設定して契約します。
経営者が病気で不在になったときの事業保障や、従業員への福利厚生などに活用されます。
ちなみに法人保険として医療保険に加入し、保険期間中に給付金を受け取った場合は、給付金受取人が法人か個人かによって経営処理などが異なります。
生活障害保障定期保険
生活障害保障定期保険は積立ができる定期保険であるため、保障だけでなく貯蓄性も期待できます。
また死亡保障だけでなく、高度障害や要介護状態、がんや心筋梗塞など重篤な状態に陥ったときの保障も行えます。
かつて保険料が全額損金にできたため、税金対策として人気の商品でしたが、現在は法改正によって全額損金算入にはできません。
収入保障保険
収入保障保険は、経営者に万が一のことがあった場合、契約時に設定した契約保険中は継続的な保証(収入)を確保できるというものです。
保険金は月払い給付として決まった額を受け取れるため、毎月一定額を支払う費用等の資金準備や、運手資金を確保することができます。
また保険料も安いですが、その分解約返戻金や満期保険金は存在しないのが一般的です。
まとめ
法人向けの生命保険には上記のような種類があり、いずれも特徴や加入目的などが異なります。
そのため漠然と商品を選んでしまうと、思うような保障が受けられなかったり、保険料の負担が大きくなったりするおそれがあります。
また法改正によって損金算入のルール変更があったため、企業は節税することをメインの目的として、商品を選択するべきではありません。