近年、年金収入のみでは老後資金が不足することがよくクローズアップされています。
こちらは公的年金制度の限界を示唆していて、さらに国民が各々公的年金とは別に、老後資金を用意しなければいけないことを意味しています。
今回は、主な老後資金の貯め方について解説します。
主な老後資金の貯め方5選
老後資金は主に以下の方法で貯めることができます。
・投資信託
・iDeCo(イデコ)
・個人年金保険
・外貨預金
・財形年金貯蓄
各項目について詳しく説明します。
投資信託
投資信託は、複数の投資家から集めた資金を投資のプロが運用し、その利益を投資額に応じて各々に分配するというものです。
投資の専門家に運用を任せられるため、投資に慣れていない方でも安心して始められます。
また1万円程度の少額投資から始められるのもメリットです。
ただし、投資信託は節税効果がそれほどありませんし、利用する際には手数料が発生します。
iDeCo(イデコ)
iDeCo(イデコ)は、確定拠出年金法に基づいて運営されている私的年金制度です。
毎月自身で決定した額を積み立て、その掛金を運用することで、老後に向けた資産形成を目指します。
iDeCo(イデコ)の掛金は全額所得控除の対象であり、運用益も非課税です。
また、60歳以降に老齢給付金を受け取る際にも税制優遇が受けられます。
しかし原則60歳以降まで引き出せないことや、掛金の上限が決まっていること、元本割れのリスクがあることなどはデメリットです。
個人年金保険
個人年金保険は、民間の保険会社が取り扱っている保険商品です。
任意で加入し、60歳や65歳といった一定の年齢まで保険料という形でお金を積み立てることで、満期後積立金をもとに年金を受け取ります。
老後資金を安定して貯めたい方や、生命保険料控除を受けたい方などにはおすすめの方法だと言えます。
一方インフレによる価値減少、途中解約のリスクなど、加入にあたっては事前に把握しておかなければいけないこともあります。
外貨預金
外貨預金は、日本円以外の米ドルやユーロ、豪ドルといった外国通貨で行う預金です。
円安になった場合は、為替差益によって資金を増やすことができるのがメリットです。
また日本の銀行よりも金利が高く設定されているケースが多いため、資産を効率良く増やすことも可能です。
外貨建ての金融商品の中でも仕組みがわかりやすく、初心者の方にもおすすめの資産運用だと言えます。
ただし外貨預金は、預入や引出の際、為替手数料が発生します。
また預金保険制度の対象外になるため、金融機関が破綻した際には大きな損害を被る可能性があります。
財形年金貯蓄
財形年金貯蓄は老後資金を上積みするための貯蓄で、55歳未満の勤労者が金融機関と契約を結び、積立を行う制度です。
こちらの制度は勤務先の給与からの天引きであるため、自身で意識して貯蓄や運用をすることなく、老後資金の備えができます。
そのため手元に見える、自由に見えるお金として持っていると使ってしまう癖がある方にはおすすめです。
一方で、財形年金貯蓄は自由度が低いです。
投資信託やiDeCo(イデコ)などのように、自由に金融機関や投資先を決定することができず、あくまで勤務先で取り扱いのあるものに限られます。
また早期退職したとしても、60歳にならなければ受け取れません。
仮に55歳で退職し、すぐに年金を受け取ろうとすると途中解約になり、過去の利息に課税されます。
まとめ
冒頭でも触れた通り、老後資金は公的年金だけで確保できない時代に突入しています。
そのため、できるだけ早く自身に向いている貯蓄方法を見つけ、年齢が若くても実践することが大切です。
もちろん適切な管理ができるのであれば、複数の投資商品を組み合わせるなどして、効率的に老後資金を貯蓄しても構いません。
必要額の目安を知り、その目標に向かって着実に進んでいきましょう。