代表的な資産運用型保険
②学資保険

資産運用型保険

保険と言えば、死亡時や入院時に備えたもの、という印象が強いかもしれません。
しかし、中には資産運用のための保険もあります。
その中でも代表的なものの1つが学資保険です。
これは子どもの学費のための保険ですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?

学資保険とは?

子ども1人が幼稚園から高校まで通う際にかかる学費は、国公立であれば全国平均で541万円、私立校であれば1,830万円かかると言われています。
さらに大学進学まで考えると、入学金と4年間の学費に加え、塾の費用もかかることになるでしょう。

養育費は多額なので、それを計画的に貯めるために学資保険が用意されています。
保険と同時に、毎月少しずつ積み立てて進学に備えるためのものなのです。
学資保険には、貯蓄型と保障型があります。

貯蓄型は、保険料を払い込んで教育資金を貯めるもので、満期の際に受け取る金額が保険料の合計よりも多くなるものです。
一方、保障型は、子どもや親の医療保障や子どもの死亡保障などがついたもので、万が一の備えになる代わりに満期の際の金額が保険料の合計より少なくなります。

また、契約形態によっては学資保険でお金を受け取る際に一時所得となり課税対象になる可能性があるのですが、保険料と受け取った保険金との差額が50万円以内であれば非課税となっています。

学資保険のメリットとデメリット

学資保険のメリットとして挙げられるのが、強制的に貯蓄ができるという点です。
お金を貯めようと決意しても、貯蓄が苦手で「思うようにお金が貯められない」という人もいます。
また、余裕があると、つい使い過ぎてしまうこともあるでしょう。

学資保険であれば、一度契約すれば自動的に保険料が引き落とされ、途中解約をしない限りは満期になるまで受け取ることができません。
途中解約になると返礼率がかなり下がるので、よほど困らない限りは強制的にお金を貯め続けることができるでしょう。

また、定期積立の場合、それを支払う親が亡くなるとそこでストップしてしまいますが、学資保険の場合は親が死亡、もしくは高度障害状態になり支払い不能となった場合は、それ以降の支払いが免除されて保険金は満期に満額保障されるのです。

デメリットとしては、満期までは原則保険金を受け取ることができず、途中解約した場合は返礼率が低く元本割れする可能性が高いという点が挙げられます。
また、保険料は当初の取り決め通りに運用されるため、インフレになった場合でも物価の変動に対応できないという点もデメリットになるでしょう。

学資保険が必要な人は?

学資保険は、誰もが加入するべきというわけではありません。
必要な人と、必要はない人がいるのです。
学資保険が必要なのは、どのような人でしょうか?

少しずつ貯金をしていくのが苦手、という人には学資保険が必要です。
大学まで卒業する人がほとんどの現代では、学費もかなりの金額が必要となります。
すぐに貯められるものではないため、少しずつ貯めていく必要があるのです。

しかし、手元にお金があるとつい使ってしまう、色々と欲しいものがあってつい買ってしまうという人などは、なかなかお金を貯めることができないでしょう。
目標と貯金のペースを考えたとしても、なかなか守れないかもしれません。

学資保険の場合は、毎月決まった日に一定額の保険料が引き落とされます。
自動的に引き落とされるため、強制的に貯蓄ができるでしょう。
上手く活用すれば、スムーズにお金を貯めることができます。

教育費を貯めながら、万が一に備えておきたいという方にも学資保険は必要です。
学資保険は、定期預金などと違って将来を見据えた資産形成をしながら、万が一の事態にも備えることができるのです。

学資保険の契約にはいくつかの種類があるのですが、特に多いのが契約者の死亡に伴い以降の保険料の支払いが免除されるという特約が付いているものです。
父親が契約者で、契約期間中に亡くなった場合は以降の保険料の支払いが免除され、満額支払った場合と同等の資産ができるのです。

単純に貯蓄するだけではなく、万が一のことがあった場合に子どもの将来を守りたい、という人にはおすすめです。
生命保険も並行して加入していると、更に手厚い保障が受けられるでしょう。

学資保険は、単なる貯蓄ではありません。
毎月一定の保険料を支払って、満期の時には支払った保険料よりも大きな金額を受け取ることができる可能性が高いのです。

試算を増やすのであれば、株式投資やつみたてNISA、iDeCoなどもありますが、学資保険は他の方法よりもリスクが低く、お金を着実に増やすことができます。
投資が不安だという方にも、学資保険は必要でしょう。

学費を安全かつ効率的に増やしていきたい場合、学資保険はピッタリです。
ただし、加入期間によっては元本割れしてしまうこともあります。
また、金利が低いとあまり効果はないでしょう。

学資保険が必要ない人は?

学資保険が必要ないのは、どのような人でしょうか?
まず、学資保険の目標である将来の学費を準備することが必要ない、という人であれば、学資保険に加入しなくてもいいでしょう。

将来必要となる学費を、自分で貯金して用意できる人は、学資保険に加入する必要性はないのです。
もちろん、資産を増やしたいという目的で加入しても問題はありません。

学資保険に加入すると、毎月決まった額を引き落とされて強制的に貯蓄されるのですが、自分で貯められるから必要ないという人もいるでしょう。
自分できちんと貯金を管理して、使い込むことがなければ加入しなくてもいいでしょう。

学資保険は固定金利なので、ある程度の割合でしか増えていきません。
途中でお金が必要になった時も、引き出すことは難しいという欠点がある学資保険は、他の金融商品に乗り換えるのが難しいのです。
株式投資などで資産を増やしたいという人には、不必要でしょう。

有利となる金融商品は、景気の動向や経済状況によって変わります。
比較的安定している学資保険は、大きく増やすことができるわけではありません。
あくまでも、マイナスになりにくいというだけです。

他の金融商品であれば、大きく増やすことも可能です。
想定している必要な学費の額に元本が大きく及ばない場合は、大きく増やすために株式投資や投資信託などに投資することも考えましょう。

まとめ

学資保険は、子どもの学費を確保することを目的とした保険です。
数百万円から1千万円以上にもなる学費を確実に貯めるため、保険という形で積み立てるものですが、生命保険と兼用することも可能で、親が死亡した際はそれ以降の保険料支払いが免除されるなど、積立貯金とは違った点もあります。
また、満期の際に保険料の合計よりも多い金額を受けとることもできます。
確実に学費を貯めたい、という方におすすめの保険です。

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