保険で資産運用をするデメリット

資産運用型保険

保険で資産運用を行うことにより、死亡や病気、ケガなどの備えをしながら、確実にまとまった現金を受け取ることが可能です。
しかし、こちらの手法は、決して良い点ばかりではありません。
ここからは、保険を活用して資産運用をすることのデメリットについて解説したいと思います。

保険で資産運用をするデメリット5選

保険での資産運用は、少ない知識で始めることができたり、生命保険料控除が利用できたりといったメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。

・長期の加入が必要になる
・掛け捨てタイプの保険より保険料が高くなる
・途中解約すると元本割れのリスクがある
・資産を大きく増やすのは難しい
・インフレリスクがある

長期の加入が必要になる

保険で資産運用を行う場合、解約返戻率をきちんとチェックしておかなければいけません。

解約返戻率とは、解約返戻金の額に占める払込保険料総額の割合をいいます。
例えば、10年後に受け取れる解約返戻金の額が100万円、払込保険料総額が100万円の場合、解約返戻率は100%になります。

また、解約返戻率は、加入期間が短いうちは低く、加入期間が長くなるにつれて高くなります。
そのため、保険で資産運用を行う場合、ある程度長期間保険に加入していなければ、ほとんど成果を得ることができません。

掛け捨てタイプの保険より保険料が高くなる

保険には、掛け捨てタイプと、解約返戻金や満額保険金のあるタイプが存在しますが、資産運用に用いる後者は、前者に比べて保険料が高めに設定されています。

例えば、保険金額や加入時の年齢、保険料払込期間、保健期間が同じである場合、解約返戻金や満期保険金がある保険の方が、保険料は高くなります。

そのため、保険で資産運用を行うのであれば、長期間無理のない程度に保険料を払い込み続けられるかどうか、加入時にシミュレーションをする必要があります。

途中解約すると元本割れのリスクがある

貯蓄型の保険では、途中解約をしてしまうことにより、元本割れをするリスクがあります。

先ほども触れたように、解約返戻金や満額保険金における解約返戻率は、一般的に加入期間に応じて増加します。
逆に、加入期間が短くなれば返戻率は低い状態となるため、途中解約によって受け取れる金額は少額になり、こちらが実際払い込んだ金額を下回る場合、元本割れとなってしまいます。

資産を大きく増やすのは難しい

保険は資産運用に用いられる商品の1つですが、本来の目的は投資ではありません。
そのため、リスクは低いものの、他の金融商品と比べて資産を大きく増やすことは難しいです。

また、外貨建て保険や変額保険に関しては、ある程度大きなリターンを期待することができますが、見通しを立てるのが難しいというデメリットを持っています。

ちなみに、他の金融商品と比較した保険の利回りは以下の通りです。

・株式投資:~14%(配当利回り)
・投資信託:46~50%(分配金利回り)
・保険:~1.8%

インフレリスクがある

円建ての貯蓄型保険には、保険料を支払ったときの物価と、解約返戻金、満額保険金を受け取るときの物価の差によって生じるインフレリスクがあります。

そのため、長期間保険に加入したとしても、必ず資産が増えるとは限りません。

このようなリスクは、他の金融商品にも存在しますが、前述したように利回りの低さを考えると、他の商品での資産運用の方が魅力を感じる方もいます。

まとめ

ここまで、保険で資産運用をすることのデメリットについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
保険を活用しての資産運用は、時間をかけてじっくりと資産を増やしていくものであり、短期間での大きなリターンを望む方には向いていません。
実際に行う場合には、あくまで資産運用の安全性と、もしものときの備えを両立した方法であることを理解しておきましょう。

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