外貨建て保険(ドル建て保険)は保険料の支払いに為替相場の変動が関わるため、一定ではありません。
そのため、いつ加入すればいいのか悩むことも多いでしょう。
そういった場合に、ドルコスト平均法を意識すれば悩みが解消されるかもしれません。
ドルコスト平均法とは何か、理解しておきましょう。
ドルコスト平均法とは?
米ドルと円との為替相場は、常に変動しています。
そのため、1万円を両替すると100ドルになることもあれば、80ドルになることもあります。
外貨建て保険の場合は、毎月一定の外貨を保険料として支払います。
ドル建てであれば、毎月100ドルなどです。
それを日本円で支払う場合、金額は毎月変動することになります。
例えば、1ドル120円の時は12,000円を支払うことになるのですが、1ドル110円なら11,000円の支払いとなります。
為替相場によって、支払う金額は大きく異なるのです。
ドルコスト平均法というのは、この相場の変動について注目したもので、長期間支払いを続けるものについては、為替相場の変動により金額が平均化するという考え方です。
日本円でドルを買う場合、円安の時は少ないドルを買い、円高の時は多くドルを買うことができるため、平均購入価格が安定するのです。
この考え方は、外貨建て保険にも適用されます。
外貨建て保険で一定額の円を毎月支払う形式のものであれば、円安の時は支払う保険料も少なくなり、円高の時は保険料を多く支払うことになります。
そのため、どのタイミングで加入するかを検討する必要がありません。
どのタイミングでも、長期的に見ると支払う保険料は平均化されるため、変わらないのです。
ただし、これは保険料が円を基準としている場合に限られます。
外貨建て保険の多くは保険料を外貨で設定しているため、ドルコスト平均法は厳密に適用されないのです。
とはいえ、基準をドルに考えた場合は似たような法則が成り立ちます。
毎月100ドルを支払う場合に、円換算した金額はその時の為替相場に従って決定されるため、長期的に見るとやはり平均化されるでしょう。
毎月支払う金額が変わるという点ではドルコスト平均法に当てはまらないのですが、金額が一定の水準になるという点では当てはまります。
そのため、無理に円高の時に加入する必要はないのです。
一括払いではドルコスト平均法は全く関係しない
外貨建て保険の保険料は、加入時に加入期間の分を一括で支払うことも出来ます。
しかし、その場合は加入するタイミングに注意が必要です。
保険料が平均化されず、その時の為替相場によって決まるからです。
例えば、保険加入期間の保険料の合計が20,000ドルであれば、1ドル140円の時に加入すると2,800,000円を支払うことになります。
しかし、1ドル110円の時なら2,200,000円で済むのです。
そのため、一括で支払うのであれば、円高のタイミングを狙う必要があります。
2022年からはかなり大幅な円安となっているため、タイミングはかなり限られるでしょう。
その代わり、円高のタイミングで一括払いをすると、為替差益を大きく得られる可能性が高くなります。
毎月一定の保険料を支払う方法では、為替相場の影響が少なくなるため、為替差益も少なくなるのです。
ドルコスト平均法が最も大きく効果を発揮するのは、毎月一定の円を支払う外貨建て保険です。
一定の外貨を支払う保険の場合は厳密には適用されず、一括払いについてはドルコスト平均法は適用されないため注意しましょう。
まとめ
ドルコスト平均法は、一定期間ごとに一定の日本円でドルを買う場合に適用される法則ですが、毎月一定のドルを支払うドル建て保険を始めとした外貨建て保険にも同じような考え方ができます。
そのため、無理に円高のタイミングで加入する必要はありません。
しかし、保険料を一括払いするのであれば特に関係ないので、その場合は円高のタイミングを狙うようにしましょう。