変額保険は、運用成績によって受け取る保険金や解約返戻金などの額が変わる保険です。
変額保険は、資産運用をしたい人に人気があるのですが、内容をしっかりと理解していない人からの苦情やトラブルが多いのも特徴です。
変額保険のメリット・デメリットがどのようなものなのか、解説します。
変額保険のメリット
変額保険のメリットとしてまず出てくるのが、運用状況で受け取ることができる保険金や解約返戻金の額が変わるため、他の保険よりも多くの金額を受け取ることができる可能性がある、という点です。
変額保険の運用は、他の保険の運用をする一般勘定と区別された特別勘定で行われます。
その運用成績が好調で資産を増やすことができれば、保険金や解約返戻金は基本保険金額を上回ることになるのです。
また、死亡時や行動障害状態時に支払われる死亡保険金・高度障害保険金については、下限の金額が決められています。
運用成績が好調なら増えるのですが、いくら悪くても基本保険金額を下回ることはないのです。
変額保険は、生命保険料控除の対象となる保険なので、所定の条件を満たしていれば所得税では最大で4万円、住民税では最大28,000円の所得控除が年末調整や確定申告で適用されます。
物価が上がるインフレ時は現金の価値が下がってしまい、資産価値も目減りしてしまいます。
例えば、現金で1,000万円持っている状態でインフレになり、物価が2倍となった場合は所持している1,000万円が以前の500万円と同じ価値になってしまうのです。
ですが、資産運用をするとインフレに合わせて資産価値も上がっていくため、対策になります。
インフレは一時的に景気が上昇している時に起こりやすいので、特別勘定の運用成績も好調になります。
定額保険の場合、支払う保険料も受け取る保険金も最初から額が決まっています。
そのため、インフレの対策にはなりません。
変額保険は満期保険金などが変動するため、対策として利用できます。
変額保険は、運用している間税金がかからないというメリットもあります。
ただし、受け取りの際に利益がある場合は税金がかかることもあるのですが、その際は税負担の軽減を受けられます。
変額保険のデメリット
変額保険のデメリットとして、元本保証がないため元本割れのリスクがあるという点がまずは挙げられます。
運用成績次第では、保険金や解約返戻金が払込保険料の総額を下回ることもあるのです。
運用環境は、各中央銀行の政策変更などにより金利が変動したり、為替変動の影響を受けたりと、複雑な要因で変化します。
どのようなタイミングでどう変化するのか、その特性を理解しておく必要があるでしょう。
変額保険を運用している特別勘定は、保険会社が運用を行っているのですが、積立金からは所定の手数料が差し引かれています。
運用関係費として、手数料が引かれるのはデメリットでしょう。
また、特別勘定を他の特別勘定へと変更するスイッチングが可能な商品もあるのですが、その際も、積立金からスイッチング手数料が差し引かれてしまいます。
変額保険は、このようなデメリットも理解したうえで加入しましょう。
特にデメリットを理解せずに加入したことで、予定より保険金などが少なくなっているという苦情を申し立てる人もいるため、しっかりと理解したうえで加入することをおすすめします。
まとめ
変額保険は、保険料に対して受け取る保険金などが多くなる可能性もあるのが魅力なのですが、運用成績次第では受け取る金額が少なくなることもあります。
それでも、保険金については基本保険金額を下限としているため、それ以上少なくなることもありません。
インフレにも強いため、景気変動への備えにもなります。
変額保険に加入する際は、メリットとデメリットをしっかりと把握した上で加入しましょう。