万が一の時に備えて加入する生命保険には、いくつかの種類があります。
その中でも保険の加入期間が一生涯の保険は、終身保険といいます。
何歳になっても保障があるというのは、かなりの安心感があるでしょう。
終身保険のメリット・デメリットについて、解説します。
加入を検討している方は、参考にしてください。
終身保険のメリット
終身保険は、一度加入すると保障が一生涯続く保険です。
生命保険は加入期間が定められているものが多く、一定年齢になると保険金を受け取れなくなるものもあります。
しかし、終身保険は保険期間が終身なので、何歳で死亡した場合でも保険金が支払われます。
保険金受取人に自分の死後お金を残してあげたいという人にとって、安心できる保険です。
終身保険を途中で解約すると、保険金は受け取ることができなくなります。
その代わり、解約返戻金を受け取ることができます。
解約返戻金は、契約から経過した期間に応じた返戻率で受け取ることになるのですが、期間が短ければ払い込んだ保険料の総額より少なくなります。
保険料の払込は一生涯というものもあれば、60歳などの年齢に達するまで、もしくは一定期間となっているものもあります。
保険料の払込が終わってから解約した場合は、返戻率も100%を超えていることが多くなります。
定期保険の場合、満期を迎えるたびに更新で保険料が上がっていきます。
しかし、終身保険の場合は保険料が変わらず、ずっと同じ金額です。
これは、一生涯払込をする保険と払込期間が定められている保険のどちらも同様です。
年末調整や確定申告の際は、保険の契約者が支払った保険料のうちの一定額を、生命保険料控除として所得から差し引くことができます。
控除によって、所得税や住民税が安くなるのです。
生命保険料控除にはいくつかの種類があるのですが、その中で終身保険は「一般生命保険料控除」に分類されます。
それぞれの控除で上限額があるので、全額控除されるとは限りません。
終身保険は、みなし相続財産として残すこともできます。
民法上の相続財産とは別に扱われ、特定の相続人を対象としているため遺産部活協議の対象にはなりません。
そして、死亡保険金は非課税枠を利用できるのです。
終身保険のデメリット
終身保険には、どのようなメリットがあるのでしょうか?
定期保険と比べると、保険料が割高というのはデメリットといえます。
しかし、確実に保険金を受け取ることができるため、途中で解約しない限りは損をすることもありません。
若いうちに加入すると、保険料は比較的安く途中で上がることもないため、家計への負担も少なくなります。
子どもが独立するまで保障を手厚くしたい場合は、定期保険にも加入しておくのがおすすめです。
終身保険は、保険金や解約返戻金の額が契約時に定められています。
そのため、インフレが起こった時は保険金や解約返戻金が実質少なくなります。
元々は1000万円受け取る契約だったのが、インフレになると700万円分の価値しかなくなるということもあり得るのです。
定期保険のように満期や更新などが無いため、ライフステージやライフスタイルが変化したり経済状況が変化したりしても、保障を見直す機会がありません。
こまめな見直しをしたい人には、不向きな保険といえます。
もちろん、途中で解約して違う保険に加入するという選択肢もあります。
しかし、加入期間が短いと解約返戻金の返戻率が低いため、支払った保険料があまり戻ってこなくなり、損をしてしまいます。
まとめ
保障が一生涯続く終身保険は、何歳で亡くなったとしても残された家族にまとまったお金を残してあげたい、という人に向いています。
定期保険と比較すると保険料は高いのですが、途中で解約した場合は解約返戻金を受け取ることができます。
しかし、インフレに弱いことや途中で見直しをするのが難しいということなど、デメリットもあるので注意してください。