iDeCoは私的年金制度の一つであり、掛金とその運用益の合計額をもとに、給付を受け取ることができます。
公的年金と組み合わせることで、より豊かな老後生活を送れますが、残念ながらこちらはすべての方に向いているわけではありません。
今回は、iDeCoの利用が向いていない方の特徴を解説します。
iDeCoの利用が向いていない人の特徴5選
以下の特徴に当てはまる方は、あまりiDeCoの利用が向いているとは言えません。
・収入が安定していない
・貯蓄がない
・今後大きな支出の見込みがある
・すぐに利益を出したい
・終身年金が欲しい
収入が安定していない
収入が安定していない方は、iDeCoの加入により、日々の生活を圧迫する可能性があります。
安定しないといっても、毎月最低限の見通しがついていれば問題ありませんが、それすらない場合は、加入することがデメリットになることも考えられます。
また、iDeCoは途中で解約し、出金することができないため、自由に解約できるつみたてNISAなど、他の方法も検討してみましょう。
ちなみに、会社員以外で収入が少ない方の中には、国民年金の免除を受けている方もいますが、たとえ一部免除であっても、国民年金の免除を受けている場合は、iDeCoへの加入ができません。
免除の基準は、扶養する家族の人数は社会保険料控除額によって異なります。
貯蓄がない
前述の通り、iDeCoは途中で解約したり、引き出したりすることができません。
そのため、いざというときに使うための貯金がない状態で始めるのは、少しリスクが高いです。
iDeCoを始めるのは、生活費の3ヶ月分など、自身で安心できると思えるだけの貯蓄ができてからでも遅くないと言えます。
今後大きな支出の見込みがある
例えば、子どもの学費がかかる年代の方は、マイホームの購入時に利用した住宅ローンの返済も重なり、人生でもっとも支出が大きくなる時期の可能性があります。
その他、親の介護費用や開業資金など、大きな支出の見込みがある方は、急な資金が必要になることが考えられるため、iDeCoは継続的に掛金を拠出できるタイミングから始めることをおすすめします。
また、こちらは正確に言うと支出ではありませんが、産休や療養、転職などで収入が下がる可能性がある方も、ひとまずiDeCoへの加入は見送った方が良いでしょう。
何度も言いますが、iDeCoは途中で解約することができません。
掛金を取りやめても維持費は発生するため、大きなライフイベントには弱い制度だと言えます。
すぐに利益を出したい
iDeCoは毎月数千円~数万円の金額を、何十年といった長期的な目線で運用するものです。
そのため、数日や数ヶ月の短期間で大きな利益を出したいと考える方には、相性が合わないと言えます。
また、投資というものに対し、短期間で大儲けできるイメージを持つ方もいますが、そのような投資はハイリスクであるため、初心者が参入しても損失を出す可能性は高いです。
その点、iDeCoは手堅く長期目線で、将来に備えた資産形成を進めることができます。
終身年金が欲しい
iDeCoの給付の受け取り方は2つあります。
1つは、5年以上20年以上の期間を決め、分割で受給する方法で、もう1つは、一時金としてまとめて受け取る方法です。
生きている限り、ずっと年金が支払われる終身年金を選べると良いですが、対応する保険会社は一部に限られます。
また、終身保険を選ぶ場合は、資産をいったん売却し、終身年金を購入する必要があります。
そのため、終身年金が欲しい方にとっては、iDeCoはあまりおすすめできません。
まとめ
ここまで、iDeCoの利用が向いていない方の特徴について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
最近iDeCoのことを知り、興味を持ったという方もいるかと思いますが、加入を検討する前に、まずは自身の置かれている状況を再確認しましょう。
経済的な理由や、今後の予定などによっては、iDeCoに加入すべきではない可能性があります。