iDeCo(イデコ)への加入を考えている方の多くは職を持っていますが、すべてが会社などに勤務する方とは限りません。
中には、店舗などの個人事業主として働く方もいます。
ここからは、そんな個人事業主におけるiDeCo(イデコ)の加入条件と、加入することのメリット・デメリットを解説します。
個人事業主のiDeCo(イデコ)加入条件について
個人事業主の方が国民年金保険を支払っている場合、国民年金保険の第1号被保険者に該当します。
このとき、年齢が20歳以上60歳未満であれば、基本的にiDeCo(イデコ)に加入することができます。
しかし、個人事業主の中でも、農業者年金の被保険者に該当する方は、iDeCo(イデコ)の加入条件を満たすことができません。
また、国民年金保険の保険料納付を免除されている方も加入はできないため、注意してください。
ただし、障害基礎年金を受給されている方などは、iDeCo(イデコ)の加入条件を満たすことが可能です。
個人事業主におけるiDeCo(イデコ)加入のメリット
個人事業主の方がiDeCo(イデコ)に加入するメリットとしては、まず掛金上限額が大きいことが挙げられます。
iDeCo(イデコ)では、職業や属性ごとに毎月の掛金上限額が定められていますが、個人事業主の場合、こちらの金額は月68,000円、年間でいうと81万6,000円にも上ります。
会社員の方が月20,000~23,000円、公務員の方が月12,000円であることを考えると、こちらの金額がどれだけ大きいかがわかります。
個人事業主の方は、厚生年金保険に加入することができないため、このように掛金上限額が高めに設定されています。
また、積立金の受取年数、支給回数を選べるというのもメリットです。
iDeCo(イデコ)の受取年数は5~20年、支給回数は1~4回、6回、12回の中から選ぶことが可能です。
個人事業主の方は、定年が存在せず、なおかつ収入も一定になりにくいため、このように自身の都合の良いタイミングで支給を受け取ることができるのは、大きなメリットだと言えます。
個人事業主におけるiDeCo(イデコ)加入のデメリット
個人事業主の方であっても、iDeCo(イデコ)の加入条件をクリアすれば加入できますが、こちらはメリットばかりではありません。
まず、“原則60歳まで引き出せない”というiDeCo(イデコ)の基本的なルールは、個人事業主の方にとって大きなデメリットだと言えます。
先ほども触れたように、個人事業主の方は、会社員や公務員よりも収入が不安定な傾向にあります。
そのため、iDeCo(イデコ)の掛金を増やしすぎると、急に収入が減少した場合に対応できなくなる可能性があります。
また、iDeCo(イデコ)は一度加入すると、毎月手数料を支払い続けなければいけません。
こちらの支払いも、個人事業主の方にとっては重くのしかかることが考えられます。
その他、個人事業主の方がiDeCo(イデコ)で所得控除を受けるためには、確定申告を行わなければいけません。
この点に関しても、地味ながらデメリットだと言えます。
会社員であれば、年末調整で対応することができますが、個人事業主の方は自身で確定申告を行い、掛金の合計額を申告しなければ、控除を受けることはできません。
ちなみに、iDeCo(イデコ)の掛金における申告をする際は、自宅に届く小規模企業共済等掛金払込証明書を見ながら、金額を記入します。
こちらの書類は、通常10~12月の間に発送されますが、初回の掛金を支払ったのが年の後半だと、発送が遅くなります。
まとめ
ここまで、個人事業主のiDeCo(イデコ)加入条件、加入することのメリット・デメリットを解説してきました。
iDeCo(イデコ)は個人事業主の方における将来の不安を解消する私的年金制度であり、掛金についても優遇されています。
しかし、計画性を持って加入しなければ、逆に生活を圧迫してしまう可能性もあるため、まずはメリット・デメリットを把握するところから始めましょう。