変額保険とつみたてNISA(つみたて投資枠)は、どちらも投資商品として運用できるため、iDeCo(イデコ)などとともに比較対象になりやすいです。
また、投資を行うにあたって、多くの方が気になるのがコスト面でしょう。
今回は、変額保険とつみたてNISAのコスト面について比較します。
投資額の上限、下限
変額保険は、毎月少しずつ積み立てるだけでなく、まとまった金額を一括で投資することもできます。
投資する商品にもよりますが、場合によっては1,000万円以上投資することも可能です。
また投資額の下限については、こちらも商品によって異なりますが、5,000円程度になるケースが多いです。
一方つみたてNISAは、年間で最大120万円まで投資できます。
一生涯では1,800万円まで投資できますが、こちらはもう1つの枠である成長投資枠との合算となっています。
そのため、一度に動かせる金額は変額保険の方が大きいと言えます。
ただしつみたてNISAは、所有する商品を売却することで非課税枠が復活するため、実質1,800万円以上投資することも可能です。
さらに、投資額の下限は100円程度と、変額保険に比べてかなりリーズナブルな金額です。
運用コスト
投資商品の運用コストには、主に口座開設手数料、口座管理手数料、運用管理手数料があります。
変額保険、つみたてNISAにおけるこれらのコストは以下の通りです。
口座開設手数料 | 口座管理手数料 | 運用管理手数料 | |
変額保険 | 無料 | 保険関係費、解約控除 | 年金管理費、運用関係費 |
つみたてNISA | 無料 | 無料 | 販売手数料、信託報酬、信託財産留保額など |
変額保険は口座開設手数料が無料であるものの、保険契約の維持などに必要なコストや、死亡保険金を最低保証するための保険関係費が発生することがあります。
保険関係費は、投資信託における信託報酬よりも高額になる傾向にあるため、注意が必要です。
またつみたてNISAでは、販売手数料や信託報酬、信託財産留保額などのコストがかかりますが、その他の口座関連のコストは基本的にかかりません。
非課税メリット
変額保険は、運用時の利益が非課税になるのはもちろん、拠出時にも生命保険料控除が受けられます。
こちらは最大で所得税40,000円、住民税28,000円の控除を受けられるというもので、税負担を減らしたい方にはとても魅力的な制度です。
10年、20年など長期間投資していれば、かなりの金額を節税できます。
しかし、受取時には一時所得として所得税、住民税が課せられます。
一方、つみたてNISAも運用時の利益については非課税ですが、拠出時や受取時の控除はこれといってありません。
そのため、つみたてNISAより変額保険の方が非課税メリットは大きいと言えます。
ただし、つみたてNISAは変額保険とは違い、一生涯非課税で運用することができます。
若いうちに始めるほど運用期間が長期化し、利益を得やすくなります。
万一の場合の受取額
変額保険とつみたてNISAでは、万一の場合に受け取れる金額にも差があります。
変額保険では、加入中に死亡した場合、契約時に定めた保険金額を受け取ることができます。
そのため、加入したばかりでも受け取れる金額は大きくなる可能性があります。
場合によっては、支払った金額を大きく上回る金額を手にできることも考えられます。
またつみたてNISAの場合、死亡するまでに積み立てた金額を受け取る形になります。
つまり、運用開始直後に万が一の事態が起こった場合は、受取額がとても少なくなってしまうということです。
まとめ
コストのことをきちんと頭に入れておかなければ、投資商品で思うように利益を上げることはできません。
またここでいうコストには、手数料などの運用コストだけでなく税金も含まれています。
もし、少しでも費用を抑えながら投資を行いたいというのであれば、前述したコストの違いは必ず把握してください。
もちろん、その他のメリットやデメリットもくまなく比較することが大切です。