個人年金は、貯蓄が苦手な方でも着実に老後の資産形成ができる保険商品です。
また条件を満たせば控除も受けられるため、税金面でもメリットのある選択肢です。
しかし、中には個人年金との相性が良くない方もいます。
今回は、個人年金への加入をおすすめできない方の特徴について解説します。
個人年金への加入をおすすめできない人5選
個人年金は優れた私的年金制度ではありますが、以下の特徴を持つ方にはおすすめできません。
・老後資金が十分に確保できている人
・資産を大きく増やしたい人
・短期的な資産形成を考えている人
・元本割れのリスクを許容できない人
・保険料を支払う余裕がない人
各項目について詳しく説明します。
老後資金が十分に確保できている人
個人年金は、老後資金に不安がある方が公的年金に上乗せする形で運用するものです。そのため、すで
に老後資金を確保できている場合、必要性は低いと言えます。
例えば十分な預貯金がある方や、老後も安定的な収入が見込める方、または投資などですでに老後の生活に備えている方などは、個人年金に加入しなくても良いでしょう。
資産を大きく増やしたい人
個人年金は、今ある資産を大きく増やしたい方にはおすすめできません。
一般的な個人年金において、保険会社は大きなリターンを狙わず、あくまで安定した運用を目指します。
そのため、大きく資産が増えることはあまりありません。
また個人年金に加入している方は、他に興味がある投資商品が見つかったからといって、個人年金の積立金を簡単に使うことができません。
個人年金は途中で引き出すことができず、引き出したい場合は中途解約をしなければいけないからです。
ちなみに中途解約をして解約返戻金が戻ってきても、早期解約の場合はこちらの金額が払込保険料の総額を下回る可能性があります。
短期的な資産形成を考えている人
短期的な資産形成を考えている方にも、個人年金はあまりおすすめできません。
個人年金は、払い込んだ保険料を原資として将来の年金額が決定されます。
そのため、10年や20年などの長期的な契約が前提です。
また先ほども触れたように、中途解約をしても解約返戻金は支払われますが、短期解約の場合は基本的に元本割れが起こります。
さらに老後資金や将来の資金の貯蓄を目的として保険商品であることから、さまざまな事情で長期契約が難しい方には向いていないと言えます。
元本割れのリスクを許容できない人
個人年金における元本割れのリスクを許容できない方は、個人年金に加入すべきではありません。
個人年金の中には、外貨建てや変動タイプなど、為替や市況に応じて保有資産が日々変動する商品もあります。
このような商品は、市況が活況のときには大きく資産が増える可能性がありますが、金融ショックに見舞われると元本割れが起こります。
そのため、元本割れのリスクを許容できない方は、定額タイプの円建て保険などを選択すべきです。
保険料を支払う余裕がない人
こちらは個人年金に限ったことではありませんが、単純に保険料を支払う余裕がない方にも、個人年金はおすすめできません。
老後資金の準備についての重要性は理解していても、現在の生活に余裕がなく保険料が支払えない場合は、とりあえず現在の生活を重視する必要があります。
急に収入を増やすことは難しいため、まずは家計簿をつけるなどして生活費を見直し、無駄遣いを減らすところから始めましょう。
まとめ
個人年金は、短期間で大きな資金を手に入れたいという方には向いていません。
またすでに投資商品などで結果が出ている場合は、そちらに資金を回す方が着実に老後資金を増やせる可能性もあります。
もちろん老後資金がなくて焦っているとはいえ、現在の生活に余裕がないにもかかわらず、焦って個人年金に加入するのはNGです。