生命保険の契約時、多くの方が悩むポイントが支払い方法です。
また、生命保険料を一括で支払う方法の一つに、全期前納払いというものがあります。
こちらは、同じく一括払いの一種である一時払いとは一線を画すものです。
今回は、全期前納払いの概要やメリット・デメリットについて解説します。
全期前納払いの概要
全期前納払いは、前保険期間分の保険料を一括で支払う方法です。
実際前納した保険料は支払いが完了しているわけではなく、保険会社が預かり、支払期日が来るたびに保険料に充当されます。
ちなみに一時払いは、保険期間分の保険料を一括で払い込むものです。
こちらは実際に支払いが完了しているため、同じ一括払いであっても、全期前納払いとは形式が異なります。
全期前納払いの主なメリット
生命保険料の全期前納払いには、主に以下のようなメリットがあります。
・他の支払い方法より保険料の総額が安くなる
・死亡、解約で預り金が返金される
・毎年生命保険料控除の対象になる
各メリットについて詳しく説明します。
他の支払い方法より保険料の総額が安くなる
全期前納払いは、月払いや年払い、半年払いといった他の支払い方法と比較すると、保険料の総額が安くなります。
こちらは、貯蓄の効率が良くなることにもつながります。
生命保険料は、より長い期間の分をまとめて支払った方が総額で安くなるため、一括払いの全期前納払いがお得になるという仕組みです。
死亡、解約で預り金が返金される
全期前納払いのメリットとしては、被保険者の死亡時や解約時の返金も挙げられます。
全期前納払いの場合、支払われた金額はまず保険会社に預り金という形で保持されます。
すぐに保険料に充当されるわけではありません。
そのため、保険期間中に生命保険を解約した場合や、被保険者が死亡した場合、預かり金は返還されます。
また契約条件にもよりますが、解約返戻金を受け取れることもあります。
毎年生命保険料控除の対象になる
毎年生命保険料控除の対象になるという点も、全期前納払いの大きなメリットです。
全期前納払いでは、保険料の支払い期日になったとき、預り金を持つ保険会社が被保険者の代わりに保険料を支払います。
つまり被保険者から見れば一括払いであるものの、保険会社から見れば年払いや月払いなどの都度払いだということです。
そのため、毎年の税金の計算において控除の対象になります。
全期前納払いの主なデメリット
一方、全期前納払いには以下のようなデメリットもあります。
・まとまった資金が必要
・一時払いよりはお得感が薄い
各デメリットについて詳しく説明します。
まとまった資金が必要
全期前納払いは一括払いの一種であるため、当然保険料をまとめて保険会社に預けなければいけません。
そのため、まとまった資金を用意する必要があります。
生命保険への加入時点で経済的な余裕が少ないという方にとっては、決して向いている支払い方法とは言えません。
一時払いよりはお得感が薄い
全期前納払いは、他の生命保険料の支払い方法よりも保険料の総額が安くなるという話をしました。
しかし、こちらはあくまで年払いよりもやや軽減される程度にとどまります。
そこまで劇的に安くなるというわけではありません。
一方同じ一括払いの方法である一時払いは、1回で保険料を保険会社に払い終える形であるため、保険料総額は大幅に軽減されます。
まとめ
全期前納払いは、解約時や死亡時の返金があり、なおかつ生命保険料控除において有利になる支払い方法です。
ただし、まとまった資金がない方は選択するのが難しいですし、大幅な保険料の減額が期待できるわけでもありません。
生命保険料に加入する方は、自身が全期前納払いに向いているかどうかについて、保険会社やFPなどに質問しておくことをおすすめします。