保険会社が破綻した場合、どうなるのか?

保険の知識

保険に加入していれば、いざという時に保障を受けられます。
しかし、万が一保険会社が破綻してしまった場合、それまで支払った保険料や契約はどうなるのでしょうか?
保険会社が破綻してしまうとどうなるのか、解説します。

保険会社が破綻した場合

保険には様々な種類がありますが、多くは10年単位や終身での契約となっています。
契約期間が長いと、途中でリーマンショックやコロナショックのような経済危機が発生するかもしれません。

加入したときは問題なく経営していた保険会社も、経済状況の変化に伴い経営破綻してしまう可能性があります。
過去には、実際に破綻してしまった保険会社もあります。

万が一にも破綻してしまうと、これまで支払ってきた保険金が無駄になってしまうと思っている人もいるでしょう。
しかし、生命保険はたとえ保険会社が倒産した場合でも、支払った保険料は無駄にはなりません。

なぜ無駄にならないのかというと、日本の保険会社はすべて「生命保険契約者保護機構」に加入しているからです。
生命保険契約者保護機構に加入している場合、救済会社が現れるかどうかで対応が異なります。

助けてくれる企業が現れた場合は、元々の契約を救済会社に移転させるか、破綻した保険会社と合併、あるいは株式を取得します。
保険の契約は、そのまま救済会社に引き継がれることになるのです。

一方、見つからなかった場合には、契約は生命保険契約者保護機構が設立した子会社が承継保険会社となるか、機構が直接引き受けることになります。
その場合も契約は有効となります。

破綻した場合のデメリット

保険会社が破綻した場合でも、生命保険の契約はそのまま継続されます。
しかし、継続できるからといってすべてが今まで通りとなるとは限りません。
保険会社が破綻した場合のデメリットについて、解説します。

デメリットとして、まずは一般的な契約の場合に責任準備金が少なくなることが挙げられます。
通常の契約であれば90%まで補填されますが、予定利率が高い契約の場合は、補償率がもっと少なくなります。

予定利率は、一般的に掛け捨て型の保険ほど減少する割合が少なく、貯蓄性が高い保険ほど割合が大きくなります。
特に、昔の契約は予定利率が高いケースが多いため、減少する割合が大きくなってしまうでしょう。

契約が引き継がれている以上、保険の種類や保障を受けられる期間、保険料を払い込む必要がある期間は、原則として今まで通りです。
ただし、保険の条件は見直され、保険金や年金額は元々の予定よりも少なくなってしまいます。

自分が加入している保険会社が破綻したと聞くと、パニックになる人も少なくありません。
しかし、破綻したからといって慌てて解約しないように気をつけましょう。

そもそも、保険会社が破綻した後は、救済保険会社などに契約が移転し終わるまでは解約できません。
破綻のニュースを見て、当日中に慌てて解約するということはできないため、注意が必要です。

また、移転が終わってから一定期間内に解約する場合は、早期解約控除として解約返戻金が通常よりも少なくなってしまいます。
早期解約控除は、保険会社が破綻したとき一斉に保険契約を解約されるのを防ぐことが目的です。

保険会社が破綻したと聞くと、慌てて解約しようとする人は多いのですが、破綻したときこそ、むしろ保険を見直すチャンスでもあります。
慌てることなく、FPなど専門家に相談してみましょう。

まとめ

保険会社が破綻しても、生命保険契約者保護機構によって契約は保護されます。
救済してくれる企業が見つかれば、契約はそのまま移行できますが、見つからなかった場合は機構が契約を引き継ぐことになります。
契約内容は基本的に変わりませんが、満期保険金や年金などが少なくなってしまうこともあるため、注意が必要です。

タイトルとURLをコピーしました