「医療保険」の役割を理解することが重要!

保険の知識

もしも自分が死亡してしまった場合に備えて、死亡保険に加入している人は多いでしょう。
しかし、保険は死亡保険だけでは不十分です。
医療保険に加入することも、大切なのです。
必要性を理解するには、医療保険の役割を理解することが重要です。
医療保険について、解説します。

医療保険とは?

医療保険には、公的医療保険である国民健康保険や協会けんぽと、民間の保険会社が提供する医療保険があります。
公的医療保険は、国民皆保険制度によって加入が義務付けられています。

国民健康保険

公的医療保険には、3つの種類があります。
1つは国民健康保険で、都道府県・市区町村などの地域ごとの保険となっています。
加入対象者は、自営業者や定年退職者、フリーターなど会社の保険に加入していない人です。

国民健康保険は、前年の所得で保険料が決定され、被保険者が全額負担することとなります。
もし前年の所得がゼロの場合でも、保険料は無料とはなりません。

健康保険

2つ目は健康保険で、勤務先が所属する健康保険団体の保険です。
職域保険とも呼ばれ、会社員や公務員、並びに家族が対象です。
保険料は前年の所得で決定されますが、給与天引きで支払われ勤務先が半額負担します。

国民健康保険と健康保険は、どちらも医療費負担率は原則3割です。
また、出産育児一時金は原則42万円となっています。
しかし、傷病手当金や出産手当金があるのは、原則として健康保険のみです。

後期高齢者医療制度

3つ目は、原則75歳以上の方が加入する、後期高齢者医療制度です。
保険者は国民健康保険と似ているものの、さらに範囲外広い都道府県の広域連合となっています。

医療費負担率は所得によって異なり、原則は1割ですが、現役並みの所得がある場合は3割、一定以上の所得がある場合は2割となります。
保険料は、所得割と均等割りの合計で決定され、公的年金から天引きされます。

高額療養費制度

もし、医療費が高額になってしまい、月ごとの自己負担上限額を超えてしまった場合、高額療養費制度によって上限額を超えた金額が支給されるため、一定以上の負担はありません。
上限額は、年齢と年収によって決まります。

民間の医療保険は、加入するかどうかは自由です。
加入している場合、病院の窓口で支払った治療費の一部が、保険会社から給付されます。
また、契約内容によってはさらに保障の範囲が広くなります。

例えば、がんや脳疾患、心疾患等に備えた、三大疾病特約などがあります。
元々の保険の基準には達していなくても、三大疾病なら多くの場合保険の対象となります。

他にも、がんなどの治療に備えた先進医療や、女性特有の病気に備える女性疾病入院、介護が必要になった時の介護一時金などもあります。
契約内容によって、どこまで保障を受けられるのかが決まります。

医療保険の重要な役割

医療保険は、なぜ重要なのでしょうか?
医療保険には、重要な役割があるからです。
どのような役割があるのか、解説します。

民間医療保険の役割

民間医療保険の重要な役割は、公的医療保険では手が届かないところをカバーすることです。
公的医療保険は負担を軽くしてくれるものの、負担が重すぎるという人は少なくないでしょう。

特に高額となるのが入院時で、治療費に加えて入院費用がかかるため、支払に苦慮する人も少なくありません。
民間医療保険であれば、公的医療保険では自費と言われた部分もカバーできるのです。

入院時に、治療費以外でかかる費用として多いのが、差額ベッド代と食事代です。
入院時は、1食あたり480円の入院時食事療養費がかかります。
1週間だと、約1万円かかるのです。

しかし、病院の食事は口に合わないという人もいるでしょう。
病院や入院している病状にもよりますが、基本的には断ることができません。
別に何か食べる場合は、入院食に加えて別の食事の費用がかかることとなります。

差額ベッド代は、必ず発生するわけではありません。
発生するのは、1室にあるベッドが4床以下で、プライバシーが守られる設備がある病床を利用した場合です。

個室はもちろんですが、2人部屋や4人部屋でもかかるので、注意しましょう。
部屋によって差額ベッド代は異なり、通常は数千円から、高ければ数万円ほどかかります。
平均すると、1万円弱でしょう。

ただし、治療上必要な処置と医師が判断した場合は、差額ベッド代を請求されないこともあります。
また、病院の都合で個室になった場合も、請求されません。

他にも、病院で貸し出しているパジャマやタオルなどを借りた場合は、レンタル代がかかります。
1日当たり数百円からですが、長期間の入院となった場合は費用もかさむでしょう。

入院給付金

医療保険に加入している場合は、入院したときに入院給付金が支払われるため、入院費の補助となります。
契約内容によって、日帰り入院や検査入院でも支払われるものと、一定日数以上入院した場合に支払われるものがあります。

医療保険の役割は、治療費の一部が保険会社から支払われることで、必要な治療を遠慮なく受けられるようにすることです。
先進医療などの高額な治療はもちろん、日常の治療についても対象となります。

医療保険の種類

医療保険には掛け捨て型と貯蓄型があり、貯蓄型は掛け捨て型よりも保険料が高くなります。
その代わり、満期を迎えた時には満期保険金などが受け取れることもあります。

貯蓄型の医療保険であれば、将来に向けた貯蓄と言う役割もあります。
病気になった時はもちろん、病気にならなかった場合でも解約時や満期になった時に返戻金を受け取ることができるのです。

医療保険には掛け捨て型が多いのですが、掛け捨て型の場合は毎月の保険料が安いため、大きな負担とならずに加入できます。
掛け捨て型は、10年や20年などの期間が区切られていることが多いのです。

ただし、貯蓄型の医療保険の保険料が高いのは、掛け捨て型と同じく医療保険としての保障分に加えて、貯蓄分も支払っているからです。
掛け捨て型との差額分、あるいはそれ以上が、貯蓄分となっているのです。

貯蓄が苦手だという人は、貯蓄が他の医療保険に加入しておくと、いざという時に備えておくことができるでしょう。
毎月支払うことができる保険料も踏まえて、考えてみましょう。

医療保険は、基本的に公的医療保険をカバーするためのものです。
公的医療保険は、自己負担額を1割から3割と半分以下にしてくれるのですが
3割でも大きな負担となる人もいます。

また、治療内容によっては保険が適用されないものもあります。
先進医療や認可されていない薬などが該当し、治療費が高額になる原因となるため、医療保険でカバーする必要があるのです。

医療保険への加入は任意ですが、加入を希望する場合は健康状態を告知する必要があります。
健康状態が思わしくない場合は、加入できないことや保険料が上がることもあるため、気をつけてください。

医療保険に加入する際は、保障内容をよく確認してください。
特に、入院給付金は何日目から給付されるのかが保険によって異なるので、初日から支払われるのか、何日くらいかかるのかをよく確認してください。

まとめ

医療保険は、公的医療保険とは別に民間の保険会社が提供する保険商品です。
公的医療保険では、治療費の1割から3割からは自己負担になるため、カバーするために医療保険があるのです。
医療保険でカバーできる内容は保険によって異なるため、入院給付金や治療費の限度額等はよくチェックしてください。
自分が入院した場合に、収入をカバーできる保障内容を検討するのがおすすめです。

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