日本の生命保険料が高い理由①保険会社の手数料が高いから

保険の知識

日本の生命保険の保険料は、世界的に見て高いと言われています。
実際には、シンプルに比較することができないため、高いと言い切れるものではないのですが、そもそもなぜ高いと言われているのでしょうか?
その理由の1つに、保険会社の手数料が高いという点があります。
具体的な理由について、解説します。

保険会社の手数料

日本の保険は、他国の保険と比べて手数料が高いと言われています。
具体的には、どの位手数料が取られているのでしょうか?
手数料の割合について、解説します。

日本の保険は、主要な金融商品の中でも特に手数料が高いのです。
しかし、普段それを意識することは少ないでしょう。
手数料は、保険料の中に含まれていて、特に明細などがあるわけではないからです。

近年、資産形成のために投資信託を購入する人が増えています。
投資信託を購入する際は、ファンドへと支払う手数料と販売会社に支払う購入時手数料がかかります。

ファンドに支払う手数料は、まず運用管理費用があります。
信託報酬ともいわれるもので、運用管理にかかる費用に充てられます。
それ以外には、監査報酬や売買委託手数料もかかり、一部のファンドでは信託財産留保額を支払わなくてはいけないファンドもあります。

投資信託の購入にかかる手数料を合計すると、合計で購入価格の3~5%になります。
1万円分購入した時、300~500円が手数料になるのです。
消費税よりも低く、それほど気になる人もいないでしょう。

それに対して、保険の手数料はどのくらいになるのでしょうか?
損害保険の場合、手数料は30%から35%と言われています。
保険料が1万円なら、その内の3,000~3,500円は手数料です。

一方、米国の場合は保険の手数料が20%台です。
欧米では、保険会社が経営を効率化しているため、日本よりも運営にかかる経費が少ないということを示しています。

では生命保険の手数料はどのくらいかと言えば、ほとんどの生命保険会社では公開していないため、正確な手数料は分かりません。
しかし、損害保険会社と同等か、それ以上の水準だと思われます。

保険の手数料自体はどの国でも他の金融商品よりも高いのは確かですが、先進国の中では日本の保険の手数料が突出しているのです。
そのため、日本の保険の手数料が高いというのは、間違いではありません。

初年度手数料はさらに高い?

生命保険の手数料は保険の中でも特に高いのですが、初年度はさらに高くなっています。
通常は手数料が30%の生命保険でも、初年度は60%になっていると言われています。
さらに、保険代理店に支払うインセンティブも加わってきます。

インセンティブは商品によって異なり、保険会社が力を入れて販売している商品ほどインセンティブも高くなります。
中には、インセンティブが90%の商品もあると言われています。

初年度手数料が60%でインセンティブが90%だと、初年度は150%が引かれてしまうため、保険料だけでは不足してしまうことになります。
それでは保険会社が損をするだけと思われるかもしれませんが、実は保険会社が損をすることはありません。

まず、この割合は初年度だけで、2年目以降は手数料も低くなりインセンティブの支払いもありません。
そして、生命保険には免責期間があります。

生命保険の免責期間は、3年に設定されている商品が多いのです。
その間に自殺をして亡くなってしまった場合、保険会社は保険料を支払う必要がありません。
亡くなる人も滅多にいませんが、自殺した場合は保険金を支払う必要もなく受け取った保険料は返す必要がないため、インセンティブの分だけでも回収できれば損をすることはまずないのです。

まとめ

日本の生命保険の手数料が高いと言われるのは、保険会社がそれだけコストのかかる方法で経営していて、必要になる費用も多いということです。
先進国の中でも特に高い手数料ですが、初年度はさらに高いと言われていて代理店から契約した場合はインセンティブの支払いもあります。
合計が100%を超えることもあるのですが、保険会社は損をすることがまずありません。
保険に加入する際は、手数料のことも考えて計算しましょう。

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