自分が死亡したときに備え、残された家族のためにも生命保険に加入している人は多いでしょう。
生命保険は、加入した後に適宜見直しが必要と言われているのですが、なぜ見直しが必要なのでしょうか?
生命保険加入後に定期的な見直しが必要となる理由について、解説します。
生命保険の見直しが必要な理由
生命保険は長期間加入し続けるものです。
10年や20年などと期間が決められているものと、生涯にわたって保障するものがあります。
事故や突発的な病気などが無ければ、数十年の契約となることも多いでしょう。
長期にわたる契約中に、自身のライフスタイルが変化する可能性は決して低くはありません。
保険料は、生活習慣を含めた広い意味でのライフスタイルによって変化するのです。
ゆえに、保険料の見直しが必要になります。
一例が、喫煙習慣やメタボリックシンドロームの有無です。
近年は分煙だけではなく屋内禁煙などのルールも増え、タバコを吸う人の肩身が狭くなったことに加え、値上げも負担となりタバコを吸わない人が増えています。
また、生活習慣病の予防でメタボリックシンドロームを解消しようとする人も増えています。
喫煙の習慣がある人やメタボリックシンドロームの人と比べて、禁煙した人やダイエットをした人、もしくは最初からタバコを吸わず太っていない人は死亡リスクが低いため、保険料は安くなります。
禁煙が成功した場合やメタボリックシンドロームが解消した場合には、保険を見直した方がいいでしょう。
また、死亡時の保障についても考えてみましょう。
死亡時の保障とは、残された家族に対する保障を意味しますが、独身の人と結婚している人、子どもが生まれた人はそれぞれ必要な保障が異なります。
ライフステージの変化に伴って、保障内容についても見直す必要があるのです。
生活の変化に伴い、収入や支出が大幅に変わる可能性もあります。
家計がひっ迫するようであれば、保険料を減らすことも考えるでしょう。
収支が悪化したときは減額し、収入が増えた場合などは増額するかもしれません。
保険は、いざという時の備えにするために加入します。
しかし、保障が不十分だったり、生活からゆとりが無くなってしまったりするようでは、意味がありません。
保険を有意義なものとするためにも、見直す必要があるのです。
生命保険はいつ見直せばいい?
生命保険の見直し自体はいつでもできますが、適したタイミングというものがあります。
どのタイミングで、見直すべきでしょうか?
生命保険を見直す人が多いタイミングとして、結婚が挙げられます。
生活も大きく変わり、家計もこれまで通りとはいかず考え直す必要が出てくるでしょう。
無理せず払える保険料の額も、変わってくると考えられます。
結婚した場合、生命保険の受取人は基本的に被保険者の配偶者に変える必要があります。
自分が死んだあと、家族が生活するための資金となるため、保険金の受け取り方などもよく考える必要があります。
子どもが生まれたタイミングも、保険料の見直しをしましょう。
成長につれて必要な学費や生活費も増えていくため、 学資保険への加入も検討しつつ、現在の保険を見直しましょう。
転職も見直しのタイミングとなるケースがあります。
収入が大幅に変わる場合には、見直の必要が出てくるかもしれません。
給与の変化に応じて、保険料も調整しましょう。
また、保険のプランも見直しが必要かもしれません。
また、住宅を購入する時も、保険も見直しましょう。
人生で最も大きな買い物は住宅ということが多いのですが、金額が大きい分、支払いは長期にわたります。
保険料と住宅ローンの支払いを見直して、無理なく支払えるようにしましょう。
必要な保障が変わったら見直そう
保険は、何のために加入するのかを考えてみましょう。
万が一の時に保障を受けられるように加入するのですが、必要な保障は人によって異なり、タイミングによっても変わるでしょう。
必要な保障が異なれば、加入するべき保険も変わります。
がんを始め、様々な病気になった時に備えるのであれば、がん保険や医療保険に加入するべきでしょう。
働くことができない状態になった時に、収入を補うために保険を選ぶのであれば、収入保障が付いた保険を選びましょう。
収入が途絶えると、医療費や退院後の生活費などに困るかもしれません。
もし急に死亡したとき、残された家族の生活を守ることを考えるのであれば、終身保険への加入を検討しましょう。
終身保険なら、必ず保険金か満期返戻金をもらうことができます。
目的によって、加入するべき生命保険は異なるのです。
医療技術が進歩したことで、昔よりも入院日数が短期化したものの、通院での治療が必要となることが増えているため、通院の保障についても考えなくてはならないでしょう。
また、保険が適用されない先進医療を受けた場合、高額な費用を自己負担することになります。
保険の見直しをする時は、加入している保険で保障される内容をもう一度見直して、必要な保障が含まれているかどうか確認してください。
必要な金額を考えよう
保険の見直しをする時は、保障されるケースだけを確認すればいいわけではありません。
保障として、いくらあれば安心できるのかを考えて、保障額が十分かを確認しましょう。
必要な保障額はどのくらいか、解説します。
家族構成やライフステージによって、必要な保障額は異なります。
主な基準は、保障を必要とするのは誰か、何年分の保障が必要かという点です。
具体的には、どのように考えればいいのでしょうか?
まず、保障が必要なのは配偶者か、子どもかで異なります。
配偶者の場合、働いていなければ年金を受け取るまでの生活費が必要ですが、必要に応じて働くと考えれば、生活費を全額保証する必要はないでしょう。
子どもの場合は、成人するまでの期間が目安となります。
成人、もしくは大学を卒業するまでは何年かかるか、将来の学費等の教育費はいくら必要かを計算してみてください。
子どもが独立して、セカンドライフを送るようになると、保障額はあまり多くなくてもいいでしょう。
一般的に、30~40代が最も多くの保障を必要として、50歳を過ぎたころから大きく下がるようになります。
保険の種類によっては、就労不能状態になった時に毎月一定の給付金を受け取ることができる、収入保障タイプの保険もあります。
また、在宅介護やリハビリが必要なケースや後遺症が残って要介護認定を受けた場合などは、生前に保険金を受け取ることができる保険もあります。
保険には、様々な種類があり、保障内容なども異なります。
新しいものも定期的に登場しているため、今加入している保険よりも自分にもっと合った保険が登場していないか、定期的に確認しておきましょう。
世帯主が亡くなった場合に必要となる生活費は、月額27.3万円、年間で328万円必要となり、平均16.8年必要にされると言われています。
累計では、平均5,653万円必要となるのです。
保険は、いつまで必要か、加入できる期間はいつまでかも考えてみましょう。
60歳まで、もしくは10年などの定期になっている保険が多いのですが、実際に必要となる期間は人によって異なります。
生命保険は、期間が限られたものばかりではありません。
一生涯保障が続く終身保険もありますが、保険金は高くなってしまいます。
自分の生活や保障を必要とする人と保険料とのバランスを考えて、必要かどうかよく検討してください。
まとめ
生命保険に加入している人の中には、保険の見直しをする必要がないと思っている人が少なくありません。
中には、「特に問題はないだろう」と放置してしまう人もいます。
生活の変化に伴い、希望する保障も変わってくるため、保険も同じタイミングで見直す必要があります。
見直す際は、保険料の支払い可能な金額や保障内容などを確認して、満足のいく保険の内容にしていきましょう。