iDeCo(イデコ)のような私的年金制度は、掛金の拠出を行う必要があるため、「無職では加入するのが厳しい」と思っている方もいるかと思います。
しかし、実際は無職だからといって、門前払いになるわけではありません。
ここからは、無職の方におけるiDeCo(イデコ)の加入条件に関することを中心に解説します。
無職の方におけるiDeCo(イデコ)の加入条件
たとえ無職の方であっても、iDeCo(イデコ)の加入条件さえ満たしていれば、問題なく加入することができます。
ただし、加入するには、国民年金保険料を支払う必要があります。
そのため、仕事をしていないことにより、保険料の支払いが難しくなり、免除を受けている場合は、iDeCo(イデコ)の加入条件を満たすことができません。
もちろん、免除を受けていなかったとしても、単純に支払いをしていない場合、条件を満たしていないことになります。
無職の方がiDeCo(イデコ)に加入するのはおすすめできない
無職の方であっても、iDeCo(イデコ)の加入条件さえ満たせば加入できるという話をしましたが、こちらは決しておすすめできるものではありません。
iDeCo(イデコ)における大きなメリットの一つに、節税効果があります。
掛金については、全額所得税が控除されますし、運用益も非課税です。
しかし、無職の方はそもそも税金がかかっていないため、iDeCo(イデコ)の掛金を支払っても非課税なのは当たり前です。
つまり、大きなメリットである節税効果を受けられないということです。
また、iDeCo(イデコ)の掛金について、配偶者など、他の家族の名前で年末調整、確定申告することにより、控除を考える方もいるかもしれませんが、こちらはできないルールになっています。
iDeCo(イデコ)加入中に無職になったらどうする?
では、無職の状態でiDeCo(イデコ)の加入条件を満たし、加入するのではなく、iDeCo(イデコ)の加入中に職を失い、無職になった場合、どうなってしまうのでしょうか?
このような場合は、国民年金被保険者の加入区分が変わるため、iDeCo(イデコ)の口座がある金融機関に加入者被保険者種別変更届を提出しなければいけません。
例えば、会社を辞めて無職になった場合は第2号被保険者から第1号被保険者に、会社員もしくは公務員の配偶者の扶養に入った場合は、第3号被保険者にそれぞれ種別を変更します。
iDeCo(イデコ)加入中に無職になっても解約はできない
iDeCo(イデコ)加入中に無職になった場合、掛金を拠出するのが難しくなったなどの理由から、解約や脱退を考える方もいるかもしれませんが、こちらはルール上できません。
また、原則60歳まで掛金を引き出すこともできず、こちらは仕事を辞めた場合でも同様です。
例外的に途中で資産を引き出せるのは、高度障害者となり障害給付金を受け取る場合や、一定の条件をクリアして脱退一時金を受け取る場合のみです。
途中で無職になっても減額や停止は可能
iDeCo(イデコ)加入中に無職になっても、基本的に資産は60歳まで引き出せませんが、積立額を減額したり、停止したりすることは可能です。
iDeCo(イデコ)は、年1回だけ積立額を変更することができます。
無職になり、支払いが厳しくなった方は、こちらのタイミングで最低月5,000円まで掛金の減額が可能です。
また、必要な手続きを行うことで、積立を停止することもできます。
積立を停止することにより、運用中に発生する毎月の手数料は安くなります。
まとめ
ここまで、無職の方におけるiDeCo(イデコ)の加入条件やポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
職に就いていなくても、iDeCo(イデコ)を利用することは可能ですが、節税効果を受けたいのであれば、やはり加入のタイミングは遅らせるべきだと言えます。
また、加入中に無職になってしまった場合は、解約以外の方法で負担を減らすことを考えなければいけません。