変額保険は保険商品でありながら、投資としての一面も持っています。
そのため、投資商品と比較される機会も多いです。
また、特に変額保険と比較されやすい投資商品の一つに、つみたてNISAが挙げられます。
今回は、変額保険とつみたてNISAの加入資格や投資対象を比較したいと思います。
変額保険とつみたてNISAの概要
変額保険は、利用者によって払い込まれた保険料から諸費用を差し引いた金額について、保険会社が株式や債券を中心に資産運用するという商品です。
運用実績に応じて、死亡保険金や解約返戻金、満期保険金などが変動します。
一方つみたてNISAとは、少額投資非課税制度であるNISAのつみたて投資枠のことを指しています。
旧制度のつみたてNISAを引き継ぐ枠であり、長期・積立・分散に適している厳選された投資信託を積立で買付できます。
変額保険とつみたてNISAが比較されやすい理由としては、どちらも投資信託を購入する商品だということが挙げられます。
いずれも投資信託を毎月一定額購入し、長期にわたって資産形成するため、運用実績によるリスクが伴います。
変額保険とつみたてNISAの比較
変額保険とつみたてNISAには異なる点が数多くありますが、今回は加入資格と投資対象を比較してみましょう。
加入資格
変額保険、つみたてNISAの加入資格はそれぞれ以下の通りです。
変額保険 | ・0~70歳(商品によって異なる) ・保険会社の診査に通過した場合のみ加入できる |
つみたてNISA | 18歳以上 |
つみたてNISAの加入資格はいたってシンプルです。
18歳以上であればNISA口座を開設することができ、旧制度の一般NISAにあたる成長投資枠との併用も可能です。
一方、変額保険はつみたてNISAと比べて、加入資格が少し複雑です。
まず年齢については、保険商品によって設定されている条件が異なります。
また、加入するには保険会社に健康状態を告知し、診査に通過しなければいけません。
年齢の条件をクリアしていても、健康状態によっては加入できない可能性があります。
そのため、加入することのハードルだけでいうと、変額保険よりもつみたてNISAの方が低いと言えるでしょう。
投資対象
変額保険とつみたてNISAには、運用する投資対象にも違いがあります。
具体的には以下の通りです。
変額保険 | 特別勘定内の投資信託 |
つみたてNISA | 金融庁が厳選した投資信託、ETF |
つみたてNISAの場合、金融庁が厳選した200種類以上の投資信託やETFに投資できます。
また、併用可能な成長投資枠では、1,000種類以上の銘柄が投資対象になります。
そのため、自身に合った商品を見つけやすいです。
一方、変額保険は特別勘定内の投資信託しか選択できず、種類も10種類程度しかありません。
こちらは、つみたてNISAのわずか1/20です。
変額保険は正確には保険商品であるため、投資対象の豊富さでつみたてNISAに劣っていることは致し方ありません。
スイッチングについて
スイッチングは投資信託を買い替えることであり、投資商品を運用するにあたっては非常に便利な仕組みです。
つみたてNISAの場合、スイッチングは自由に行うことができます。
これに対し、変額保険は月間でスイッチングできる上限が決まっているケースが多いです。
具体的には、上限を超えるとスイッチングができなかったり、手数料が発生したりするケースがあります。
そのため、損益をチェックしながら投資対象を変更するというのは、少し難しいかもしれません。
まとめ
変額保険とつみたてNISAは、いずれも投資信託によって資産の長期形成が行える商品です。
また変額保険にはさまざまなメリットがありますが、加入資格や投資対象という面においては、つみたてNISAよりも劣っている部分が多いと言えます。
もちろん、これらの項目だけですべてを判断してはいけません。
どちらを活用しようか迷っている方は、リスクやコスト、税制面などさまざまな点を比較しましょう。