【保険の支払い方法】全期前納払いと一時払いの違い

保険の知識

生命保険料の支払い方法には、いくつかの種類があります。

またすべての保険料を一括で支払う方法は、全期前納払いと一時払いの2種類に分かれます。

いずれも支払い回数は1回ですが、保険料の取り扱うにおける違いがあります。

今回は全期前納払い、一時払いの違いについて解説します。

全期前納払いとは?

全期前納払いは、将来払い込むべき保険料について、保険会社に預ける形ですべて一括払いする方法です。

保険会社は保険料相当額を一時的に預かり、毎月もしくは毎年といった一定の払込期間が来るたびに、保険料を支払う形式を取ります。

保険料相当額は、一定の利息をつけて積み立てられる仕組みになっています。

また支払った保険料(預り金)については、途中で引き出すことができません。

一時払いとは?

一時払いは、保険期間全体分の保険料について、契約時にまとめて払い込む方法です。

保険料の払込方法には、一時払いや全期前納払いの他、一時払いや月払い、半年払いや年払いなどがあります。

一般的に、月払いより半年払い、半年払いより年払いなど、まとめて払い込む方法を取るほど保険料を抑えられます。

つまり、一時払いは極めて保険料を抑えやすい支払い方法だということです。

全期前納払いと一時払いの違い5選

全期前納払いと一時払いには、主に以下のような違いがあります。

・払込方法
・解約時の保険料
・被保険者の死亡時
・保険料
・生命保険料控除

各項目について詳しく説明します。

払込方法

当然のことですが、全期前納払いと一時払いとでは、まず払込方法が違います。

繰り返しになりますが、全期前納払いは保険期間中の保険料を一度に“預ける”方法です。

一方、一時払いは保険期間中の保険料を一度に“払い込む”方法です。

これらの扱いの違いにより、後述する解約時や死亡時の保険料、生命保険料控除などにも違いが出てきます。

解約時の保険料

全期前納払いの場合、途中で保険を解約したとき、充当していない保険料は返金されます。

一方、一時払いの場合は返金が行われません。

被保険者の死亡時

保険期間中に被保険者が亡くなった場合、全期前納払いであれば、保険金等とは別に保険料に充当されていない預り金が契約者に返還されます。

これに対し一時払いは、保険期間中に被保険者が亡くなった場合、保険料の返還がありません。

死亡保障がある場合は、死亡保険金のみが契約者に支払われます。

保険料

保険料の安さについては、いずれの支払い方法も他と比べると安くなります。

しかし同じ保障内容である場合、もっとも安くなるのは一時払いです。

全期前納払いは、一時払いの次に安い方法です。

ただし、必ずしも一時払いの方がお得とは限りません。

保険に加入し、すぐに亡くなってしまった場合は、それ以降の保険金が戻ってくる全期前納払いの方がお得になります。

生命保険料控除

生命保険料控除は、所得控除の一つです。

払い込んだ生命保険料に応じて、一定の金額が契約者のその年の所得から差し引かれる制度で、税率をかける前の所得が低くなることで所得税・住民税の負担が軽減されます。

全期前納払いは、毎年の保険料が生命保険料控除の対象になります。

保険料はまだ支払っておらず、預けている状態だからです。

一方、すべての保険料を払い込んでいる一時払いの場合、払い込んだ年のみ医療費控除が適用されます。

まとめ

全期前納払いと一時払いは似たような支払い方法ですが、こうして見比べてみると、いくつも違う点があることをわかっていただけるかと思います。

また同じ一括払いの方法だからといって、全期前納払いもしくは一時払いを安易に選択すると、違う方を選んだ方がお得だったというケースにもなりかねません。

そのため、今後生命保険に加入する方は、最低でも前述した違いについては把握しておきましょう。

タイトルとURLをコピーしました