日本で事業を展開する保険会社は、日本に本社がある日系の会社と、本社が海外にある外資系に大別できます。
外資系の特徴として、保険料が安いという点が挙げられるのですが、なぜ外資系の保険は保険料が安いのでしょうか?
外資系の保険が安い理由と、メリットやデメリットについて解説します。
外資系保険はなぜ安い?
外資系とは、運営が外国企業であったり、外国人が株式の3分の1以上を保有していたりする保険会社のことを指します。
「外資系でも日系でも保険会社であることには変わりないのだから、大きな違いはないだろう」と思うかもしれません。
実は、外資系と日系の保険は、いくつかの点に違いがあるのです。
日系の保険の場合、いくつかのプランから選ぶものがほとんどです。
死亡時だけではなく入院時も保障するなど複数の保障がまとまっていて、1つの保険に加入するだけで様々なトラブルに対応できるようになっています。
一方、外資系の保険はプランではなく、保障して欲しいリスクを個別に選んで契約します。
死亡なら死亡、入院なら入院だけを保障するのです。
日系の保険はさまざまなリスクに備え、できるだけカバーの範囲を広く設定していることが特徴です。
ただし、中には可能性が低いリスクなども含まれています。
「この保障は特に望まないんだけどなあ…」というリスクに対しても備えることになるため、保険料が高くなってしまうのです。
一方、外資系の場合は自分が必要とする保障だけに限って選ぶことができます。
自分が不要だと思う保障に支払わなくていい分、保険料が安くなるのです。
外資系と日系には保険の販売員も違いがあります。
日系の保険会社の場合、保険の販売員は女性が中心です。
会社に所属する保険外交員として保険の販売をします。
また、契約後は担当者となってアフターフォローも行います。
一方、外資系の保険の場合、保険の販売員は社員ではなく個人事業主です。
新しい契約を獲得するとインセンティブが支払われます。
販売員が保険代理店のような役目を果たすのです。
したがって、外資系保険の場合、契約を獲得する力を持っている販売員が多い傾向にあります。
ただし、アフターフォローは保険会社に丸投げとなるため細やかなフォローには期待できません。
人数が少ないため、人件費が少ない分保険料も安くなります。
保険料を抑えたいのならおすすめ
外資系の保険は、自分で対象を選択することができるため、自分に合った保障を設定できます。
自分だけの保険を組み立てて、保険料を抑えることができるのです。
したがって、外資系の保険は保険料を抑えたいという方にはおすすめです。
ただし、いくつかのデメリットもあるため、選ぶのであればデメリットについても理解しておく必要があるでしょう。
まず、外資系の保険は自由度が高いため、どの保障が必要なのかを自分で判断しなくてはいけません。
適切に選択するには、保険の知識が必要になります。
ある程度知識がなければ、保険の種類や保険金を受け取ることが出来るタイミング、保障内容などを決めるのは難しいでしょう。
日系の保険会社であれば、ある程度まとまった保険のプランの中から選ぶだけでいいので、専門的な知識は不要です。
また、日系の保険は契約後も様々なフォローをしてもらえるため、分からないことはすぐに教えてもらえます。
加入した後の不安も、少ないでしょう。
さらに、外資系の保険は海外に本社があるため、経営状況によっては日本市場から撤退してしまう恐れがあります。
生命保険の契約は10年、20年と長期になることが多いため、契約期間の途中で日本から撤退してしまう可能性はゼロではありません。
外資系保険会社が日本から撤退した事例はこれまでにもあります。
その場合は他の保険会社が契約を引き継ぐことになるケースが多いのですが、契約がそのまま引き継がれるとは限りません。
まとめ
外資系は日系とは違い、契約内容を自分で決めることができるため、不要な保障を除いて必要な保障だけを契約すれば、保険料を安く抑えることができます。
また、保険の販売員が少ないため人件費も少ないという点も、保険料の安さに影響しています。
ただし、適切な内容で契約するには保険の知識がなければいけません。
また、日本市場から撤退してしまう可能性もあることは、念頭に置いた方がいいでしょう。